2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659034
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
細谷 健一 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (70301033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
登美 斉俊 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (30334717)
寺崎 哲也 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60155463)
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Keywords | 網膜ペリサイト / 血管新生 / 細胞増殖抑制因子 / 網膜毛細血管内皮細胞 / リコンビナントタンパク |
Research Abstract |
網膜ペリサイトから分泌される因子が網膜毛細血管内皮細胞の増殖を制御しているという仮説から、網膜毛細血管内皮細胞株と網膜ペリサイト株の共培養解析を行った結果、網膜ペリサイト株培養後の培地の濃縮液を網膜毛細血管内皮細胞株に添加すると内皮細胞増殖を著しく抑制することを見いだした。本研究は、網膜ペリサイト細胞株が分泌する網膜毛細血管内皮細胞増殖抑制因子を同定することを目的とした。網膜ペリサイト株培養後の培地の濃縮液からタンパクを回収し、分子量で分画し、網膜毛細血管内皮細胞株の増殖を抑制するフラクションから2次元電気泳動でタンパクを分離した。分離したタンパクをMALDI-TOFMSで分析し、タンパクを同定した。同定したタンパクはtoropomyosin (TM)と高い相同性を示した。Rat TM3を特異的に認識するプライマーを作製してRT-PCR法でオープンリーディングフレームのクローニングを行った。さらに、RT-PCR解析からラット網膜、網膜ペリサイト株に発現が示された。増幅された網膜毛細血管周皮細胞株のPCR産物をDNAシークエンサー解析した結果、rat TM3、rat TM6と異なる配列を示した。得られた遺伝子配列をpGEX-6P-1 vectorに導入し、大腸菌を用いて大量培養した。大腸菌からタンパクを精製し、リコンビナントタンパクを作製した。リコンビナントタンパクはMALDI-TOFMSによってタンパク質量を測定し、さらにprotein sequencerを用いてN末端アミノ酸配列の解析を行い、同定したタンパクであることを確認した。網膜毛細血管内皮細胞株の増殖に対し、同定したタンパクは1μM以上の添加で顕著な細胞増殖抑制効果を示した。以上の結果から、網膜ペリサイトはTMと高い相同性を示すタンパクを分泌していること、およびこのタンパクは網膜毛細血管内皮細胞の増殖抑制効果を示すことが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)