2004 Fiscal Year Annual Research Report
高分子バイオコンジュゲート化アデノウイルスベクターの粒子設計とその評価
Project/Area Number |
15659038
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 晋作 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (70207728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 康央 国立医薬品食品衛生研究所, 基礎研究第二プロジェクトチーム, 副プロジェクト長 (50263306)
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Keywords | 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / PEG / バイオコンジュゲーション / RGD |
Research Abstract |
本研究では、合成高分子としてPolyethylene Glycol (PEG)を用いて最適な遺伝子治療を達成するための高分子バイオコンジュゲート化アデノウイルスベクター(Ad)の創製を行う。昨年度は、AdのPEG修飾法を確立し、PEG修飾Ad遺伝子発現特性を評価した。その結果、PEG修飾率の増大に伴って遺伝子発現効率が低下した。本結果は、Ad表面のPEGにより立体障害的にCARやインテグリンへの結合が阻害されたためであると考えられる。そこで本年度は、修飾高分子にRGDモチーフを付与することにより、高分子ハイブリッド化Adのインテグリンへの結合を可能とし、Adの優れた遺伝子導入効率・発現効率を損ねることなく、Adの欠点だけを克服したハイブリッド化Adの創製を目指した。まず、RGD-PEG修飾AdはCAR高発現細胞に対してPEG修飾Adより顕著に高い遺伝子発現を示し、未修飾Adと同等の遺伝子発現を示した。また、CAR低発現細胞に対してRGD-PEG修飾Adは、未修飾Adより100倍以上高い遺伝子発現を示し、その発現はファイバーにRGDモチーフを直接導入したAd(AdRGD)と同等であった。さらにRGD-PEG修飾Adを抗Ad抗体存在下でCAR低発現細胞に感染させ、24時間後の遺伝子発現量を測定した結果、koreまで最も高い遺伝子導入効率を示したAdRGDであっても抗Ad血清濃度の上昇に伴い遺伝子発現は急激に低下したのに対して、RGD-PEG修飾Adは遥かに高い遺伝子発現を保持し、その抗体回避能はAdRGDの15倍であった。以上PEGの片末端にRGDペプチドを付与したRGD-PEGを用いることにより、抗Ad抗体存在下でも、AdRGDを上回る高い遺伝子発現が得られるベクターの開発に成功した。
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Research Products
(3 results)