2003 Fiscal Year Annual Research Report
タイトジャンクション構成分子Claudinを標的とした新規吸収促進戦略の確立
Project/Area Number |
15659041
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
近藤 昌夫 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (50309697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 善照 昭和薬科大学, 教授 (70175131)
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Keywords | tight junction / claudin / in situ loop / C-CPE |
Research Abstract |
本年度は、claudin-4阻害剤として知られているC-CPEを用いて、C-CPEの吸収促進作用をラット腸管を使用したIn situ loop法により評価した。 1)C-CPEおよびrecombinant Claudin-4タンパク質の精製 実験に使用するC-CPEはHis-tagged C-CPE plasmid(大阪大学微生物病研究所堀口安彦博士より供与)を用いて大腸菌発現C-CPEをニッケルカラムにより精製条件を設定し、Hisタグに対する抗体を用いて精製を確認した。その結果、多少のロット差はあるものの実験に供するC-CPE量を安定して精製できる条件を確立した。C-CPEのclaudin-4阻害活性の迅速な評価方法の確立を目指してGST-fusion claudin-4の作成を試み、claudin-4 cDNAをGST発現系に組み込んだプラスミドを作成し大腸菌発現を確認したが、融合蛋白質の作成は観察されなかった。この結果を踏まえ現在claudin-4上のC-CPE結合部位のみを組み込んだ融合蛋白質発現系の構築を試みている。 2)ラット腸管のIn situ loop法を用いたC-CPEの吸収促進効果に関する検討 1)で精製したC-CPEの吸収促進作用をラット腸管を用いたIn situ loop法により評価した。モデル薬物としてFITC-dextran(分子量4,000)を使用したところ、C-CPE処理の時間および濃度依存的に血液中のFITCレベルの上昇が観察された。C-CPEの腸管粘膜に対する障害作用について、腸管粘膜からのタンパク質の流出および組織学的観察により評価したところ、吸収促進作用が観察された濃度では傷害作用は全く観察されなかった。この結果より、C-CPEはラット腸管において吸収促進作用を有する可能性が示唆される。現在、本吸収促進作用の部位特異性およびC-CPE上の吸収促進に関与する機能ドメインの解析を目指し種々の変異C-CPEの作成を試みている。
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