2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659062
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
堀尾 嘉幸 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30181530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久原 真 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80336403)
坂本 淳 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40336392)
八田 愼一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60094223)
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Keywords | 脱アセチル化酵素 / Sir2α / 神経幹細胞 / 神経細胞 / オリゴデンドロサイト / 脳 / ニコチンアミド / 胎児 |
Research Abstract |
Sir2は酵母で発見された転写抑制因子で、rRNA領域、テロメア領域や性遺伝子の発現を抑制するNAD依存性ヒストン脱アセチル化酵素である。Sir2の過剰発現によって酵母と線虫の寿命が延長し、することから注目されている。カロリー制限は酵母から高等動物までただ1つの寿命延長をもたらす方法であるが、酵母ではカロリー制限による寿命延長作用にSir2が必要であることが示されている。我々はマウスをモデルとしてSir2ファミリーに1つのSir2αが神経幹細胞などの未分化幼弱細胞に強く発現していることを見出した。Sir2αの発現は胎生4.5日から強く見られ、胎生18.5日まで1日ごとにしだいに減少していた。また、脊髄等の神経細胞、心臓に胎生期では強い発現が見られた。神経幹細胞の一次培養細胞を用いて、Sir2αが神経幹細胞に強く発現し、幹細胞を血清添加によって分化させるとその発現が消失すること、Sir2αの阻害薬のニコチンアミドやサーチノールを添加すると幹細胞の増殖が停止し、その停止は細胞周期のG2/M期の細胞が減少するため、即ち、分裂が止まるためであることを見出した。これはSir2αが幹細胞の分裂に関与するという初めての知見である。また、Sir2α阻害薬は神経幹細胞の神経細胞やオリゴデンドロサイトへの分化を抑制することも見出した。アストロサイトへの分化は阻害されないため、神経細胞やオリゴデンドロサイトへの分化に必要な転写因子へのSir2αの働きについて検討している。Sir2αに結合する蛋白質を検索するためにSir2αのGST融合蛋白質を作成し、脳の結合蛋白質を精製し、SDS-PAGEで分離したあとMassでアミノ酸配列を調べた。この結果、DDX1というRNA helicaseが結合することを見出した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sakamoto J, Miura T, Shimamoto K, Horio Y.: "Predominant expression of Sir2alpha, an NAD-dependent histone deacetylase, in the embryonic mouse heart and brain."FEBS Lett.. 556. 281-286 (2004)
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[Publications] Horio Y, Hisahara S. Sakamoto J.: "Functional analysis of SIR2"Nippon Yakurigaku Zasshi. 122. 30-32 (2003)
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[Publications] Horio Y: "Glibenclamide : an inhibitor of potassium channel"Molecular Med.. in press.