2004 Fiscal Year Annual Research Report
円頭精子症候群の新規原因遺伝子の解析とその修飾遺伝子群を探る試み
Project/Area Number |
15659064
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 利雄 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (60201208)
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Keywords | 細胞内小胞輸送 / ARF6 GAP / 生殖細胞 / Runx1 / 血管 / Filamin / リンパ球 |
Research Abstract |
造血幹細胞発生に必須のRunx1の細胞運命決定への効果を検討するために、Runx1を発生初期の血管内皮細胞に強制発現させたところ、血管網形成が異常となった。この血管網形成異常はこれまでに知られているものと異なっていることから、新しいメカニズムによって血管細胞の運命決定へ影響があったと推察された。現在、造血幹細胞発生が変化していないかを検討中である。一方で、Runx1を造血幹細胞に過剰に発現させた場合には、その個体では外見上異常が見られなかった。現在、造血幹細胞の再建活性能への効果を見ようと準備している。造血幹細胞特異的なRunx1のアイソフォームの特異的Runx1 KIマウスのキメラマウスが得られた。しかし150匹の子供を解析したが生殖系列への伝播がまだ見られてない。一方Runx1の標的遺伝子候補のconditional KOマウスは生殖系列への伝播を確認した。現在順次Creマウスとの交配を行っている。培養T細胞を用いて、100bpのRunx1発現制御領域を同定した。さらに、これまでの一般の予想とは異なり、Runx1が自分自身の発現を負に制御することと、Runxファミリー間での相互抑制機構があることを培養細胞を用いて発見した。内在性のRunx1の発現を再現する発現制御領域検定用のTgマウスは、1系統を樹立したが、培養細胞での解析から決めた発現制御領域では内在性の発現の全ては再現できなかった。現在より広い領域での検討を行うために、組み換え体を作製している。さらに、造血幹細胞細胞の形態変化(細胞骨格の変化)により造血幹細胞発生が制御されている可能性を見いだし、手始めとして、アクチン結合タンパク質のfilamin AによるRunx1の活性制御機構を明らかにして、その成果を論文として公表した。
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Research Products
(6 results)