2004 Fiscal Year Annual Research Report
モノクロナル抗体が強制的に誘導するヌードマウス発毛メカニズムの解明
Project/Area Number |
15659071
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高山 吉永 北里大学, 医学部, 助手 (90245407)
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Keywords | 発毛誘導 / ヌードマウス / モノクロナル抗体 |
Research Abstract |
I.発毛誘導モノクロナル抗体の認識する抗原の同定 1.発毛誘導モノクロナル抗体の認識する抗原の同定 新たにクローニングした発毛誘導モノクローナル抗体(3D7)産生ハイブリドーマ細胞を接種したヌードマウス約40匹より,およそ280ml分の腹水液を採取した.これらの腹水液150ml分からプロテインGアフィニティクロマトグラフィー法により3D7抗体を精製し,およそ400mgの精製抗体を得た. 2.ヒト血清からの抗原精製 ヒト(ボランティア)血清100mlからマンノースカラムクロマトグラフィーにより高マンノース結合性成分を粗精製し,ついでキトオリゴ糖カラムクロマトグラフィーにより糖鎖結合性成分を精製した.精製抗原を3D7抗体と,コントロールとして抗ヒトマンノース結合レクチン(MBL)抗体を用いたウエスタンブロッティングとにより比較分析し,精製抗原中にMBL成分と異なる分子量32-34KDaのタンパク成分の存在を確認した. 3.3D7抗体カラムクロマトグラフィーによる抗原精製 3D7抗体を用いてアフィニティ抗体カラムを作製し,キトオリゴ糖カラム精製抗原画分からの3D7抗体結合タンパクのアフィニティ抗原精製を行なった. II.精製抗体による発毛の再現 実験動物として市販されているヌードマウスは一般に1ヶ月齢ほどである.一方,およそ3ヶ月齢未満のヌードマウスは微量ながら周期的な産毛の発毛サイクルを繰り返しているものがほとんどである.そこで,12ヶ月齢以上独自に飼育し,外観上は発毛サイクルが完全に認められなくなった加齢ヌードマウスに対して本モノクロナル抗体の接種を1mg/回,3日毎に計6回行なった所,若いマウスに見られた発毛化現象は観察されなかった.このことから,本抗体による発毛化現象は毛の新生を誘導すると考えるよりはむしろ毛再生における産毛の脱落消退を防ぎ,毛成長強化作用に関係しているものと推測される. 細菌は、増殖の定常期状態やアミノ酸・糖などの栄養が枯渇した環境、あるいは酸化的ストレスなどのストレス環境下では、緊縮応答(stringent response)によってこれらの環境変化に適応し、生存を可能にする。本研究は、Salmonell enterica serovar Typhimuriumにおいて、ppGppにより遺伝子発現調節される病原因子を同定し、マクロファージ細胞内環境への適応メカニズムを解明することを目的とする。平成16年度は、アガロース二次元電気泳動法(アガロース2-DE)を用いたppGppにより発現調節される因子の同定を試みた。まず、S.Typhimurium ATCC1402ナリジクス酸耐性株SH1OO(親株)とrelA spoT二重変異株を様々な培養条件下において培養し、全菌体たん白質をアガロース2-DEにより、展開・分離した。また、平成15年度に同定したppGPPにより発現制御される3っのビルレンス形質、Salmonella pathogenicity island 1(SPI-1)、Salmonella pathogenicity island 2(SPI-2)、およびspv領域のたん白質が実際にrelA spoT二重変異株において発現が低下していることを確認するために、それぞれの変異株を同じ条件下で培養し、全菌体たん白質を比較した。現在、すでに同定されたもの以外のたん白質についていくつか確認し、LC-MS/MSを用いて、同定することを行っている。本研究の成果から、ppGppによって制御される遺伝子を同定し、さらに、マクロファージ内においてSalmonellaの増殖に必要な遺伝子を分離するための基礎的なデータを得ることができたものと考えられる。
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