2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムオキシゲナーゼ1制御因子を標的とした虚血再潅流病態改善薬探索システムの開発
Project/Area Number |
15659076
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
五十嵐 和彦 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00250738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 聡 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20243610)
武藤 哲彦 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80343292)
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Keywords | ヘム / ヘムオキシゲナーゼ / 転写因子 / 蛍光蛋白質 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
酸化ストレスによりヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)が強く誘導される。このHO-1の誘導は細胞保護に重要な役割を担っており,HO-1遺伝子導入により虚血再灌流時の細胞障害が軽減されることも報告されている。転写因子Bach1はHO-1遺伝子の抑制因子であることを発見した(EMBO J.2002,Sun et al.)。このような知見から,もしも薬剤でBach1を阻害することができれば,HO-1の発現を高く誘導し,細胞保護を達成することができると考えられる。そこで本研究は,Bach1活性を生きた細胞の中でモニターするシステムを構築し,様々なHO-1誘導条件下でその活性が低下することを検証することを目指した。さらに,このシステムを予備的なスクリーニング系に供し,ランダムスクリーニングのための最適化も試みることとした。 1.リポーター細胞株の樹立 HO-1リポーター遺伝子を線維芽細胞へ導入し,染色体上に安定に遺伝子導入されたリポーター細胞株を樹立した。さらに,これら細胞株でもHO-1誘導剤に応答してリポータールシフェラーゼ活性が変動することを確認した。また,ヘム応答性核排出リポーターを作製した。 2.予備的スクリーニングの実施 前年度までに確立したクロマチン免疫沈降法および一過性リポーターシステムを用いて,共同研究を実施している製薬企業から供与された薬剤候補の効果を検討した。そして,いずれも薬剤作用の検出に利用できることを確認した。しかし,ランダムスクリーニングを行うためにはアッセイ当たり所要時間や費用の点に問題があると判断された。 3.新規アッセイシステムの構築 Bach1の阻害蛋白質としてIHABPを同定し,その相互作用が薬剤の標的となる可能性を示した。
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Research Products
(3 results)