2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659099
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
宮澤 正顯 近畿大学, 医学部, 教授 (60167757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 佐智代 近畿大学, 医学部, 助手 (60297629)
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Keywords | ウイルス感染防御 / ペプチドワクチン / エフェクター細胞 / CD8陽性Tリンパ球 / CD4陽性Tリンパ球 / 中和抗体 / 遺伝子ノックアウトマウス / 動物実験 |
Research Abstract |
CD8陽性Tリンパ球を欠損する(BALE/cXC57BL/6)F_1-β_2ミクログロブリンノックアウトマウスに、我々がフレンド白血病レトロウイルスenv遺伝子産物上に同定したヘルパーT細胞認識エピトープを単独で含むペプチドワクチンを投与し、種々の感染価でフレンドウイルスを接種して、脾臓中の感染細胞数の増減経過と脾腫発症及び白血病死の経過を観察、CD8陽性Tリンパ球を持つ(BALB/cXC57BL/6)F_1マウスと定量的に比較した。その結果、感染ウイルス価を15 spleen focus-forming units (SFFU)に設定するとCD8陽性Tリンパ球欠損マウスでもペプチド免疫により完全な感染防御が得られること、150SFFUの感染では、対照マウスでほぼ完全な感染防御効果が得られるのに対し、CD8陽性Tリンパ球欠損マウスでは白血病発症マウスが増加すること、しかしその場合でも統計的に有意な数の個体がペプチドワクチンによる防御効果を示すことが明らかとなった。脾細胞中のウイルス産生細胞数は、ペプチド免疫を受けたCD8陽性Tリンパ球欠損マウスでも、同じ免疫操作を受けた対照マウスとほぼ同じ経過で減少した。 エフェクター機構として、ペプチド免疫後フレンドウイルスを感染したCD8陽性Tリンパ球欠損マウスも、血清中には対照マウスとほぼ同じ経過でウイルス中和抗体が産生された。これに対し、Bリンパ球欠損マウスではペプチドワクチン効果が著しく減弱し、感染細胞の排除も遅れた。 これらの結果から、ペプチドワクチン免疫によるウイルス感染防御には、CD8陽性Tリンパ球以外のエフェクター機能が重要な役割を果たす可能性が考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sugahara, D, S.Tsuji-Kawahara, M.Miyazawa: "Identification of a protective CD4^+ T-cell epitope in the p15^<gag> of Friend murine leukemia virus and the role of the MA protein targeting to the plasma membrane for its immunogenicity."Journal of Virology. 印刷中. (2004)
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[Publications] Tahara, H., N.Iwanami, N.Tabata, H.Matsumura, T.Matsuura, T.Kurita, M.Miyazawa: "Both T and non-T cells with proliferating potentials are effective in inducing suppression of allograft responses by alloantigen-specific intravenous presensitization combined with suboptimal doses of 15-deoxyspergualin."Transplant Immunology. 印刷中. (2004)