2003 Fiscal Year Annual Research Report
活動基準原価計算を活用した時間縦断的・多軸的な患者別原価測定方法の開発研究 -妥当な施設間比較と政策応用に向けて-
Project/Area Number |
15659122
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今中 雄一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10256919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 昌博 京都大学, 医学研究科, 助手 (30359806)
石崎 達郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30246045)
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Keywords | 医療の質 / 医療経済 / 経営品質 / 医療評価 / 活動基準原価計算 / 原価計算 / 患者満足度 / 活動基準マネジメント |
Research Abstract |
本研究は我が国のデータ下部構造や会計のしくみに則って安定したデータ収集のしくみを構築し、活動基準原価計算のフレームをも活用してより正確に、多軸的に診療の原価を患者レベルで測定するシステム、しかも日常的に、かつ多施設で共有して使えるシステムの構築を行うことを目的とする。さらに患者ケースミックス分類や重症度と連結し、原価のばらつき、関係性の解析,施設間差の要因分析等を行う。国内のデータコーディング、財務諸表の標準化、海外の方法も踏まえて、妥当な方法論をまず開発し原価を正確に算出する基盤を作った。医療機関内すべてを網羅する部門を設定して部門区分の粒度を高め、各種サービス種別に対応する細部門別の原価を第一段階として出した。近年の医事コンピュータの電算化や抽出データの標準化のために、次に直課に活用できるようになった部分を患者に直課し、細部門原価から差し引いた。コストセンターたる細部門の原価をコストドライバーで患者に配分した。データは日毎に分割し、しかも、勘定項目の内容(各職種人件費、薬剤費など)とサービス内容(手術、各種画像検査など)の多軸データの構成を持たせた。日常診療の診療情報管理、医事システム、給与システム、経理や物流のシステム、医師等職員のタイムスタディなどからのデータを統合して、患者ごとのデータを日常的に継続的に出すしくみである。さらに、診療情報管理室や医師などがそれぞれ構築している診療データベースで得られるデータから、日常医療の効果や過程を継続的に把握し、診断群分類および重症度情報とリンクさせ、患者状態と医療内容とともに、原価を有意義に情報化することができる。今後の課題は、活動基準に焦点をおいて、活動基準マネジメントに活用できるしくみに展開するべく諸々のシステムを構築して行くことである。
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Research Products
(25 results)
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[Publications] Imanaka Y.: "Macro and micro costing of atherosclerosis-related diseases in the Japanese health care system."Atherosclerosis. 4(2). 189-190 (2003)
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[Publications] Ishizaki T, Yoshida H, Kumagai S, Watanabe S, Shinkai S, Suzuki T, Shibata H, Imanaka Y.: "Active life expectancy based on activities of daily living for older people living in a rural community in Japan"Geriatrics and Gerontology International. 3. S78-S82 (2003)
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[Publications] Imanaka Y, Hayashida K, Nakatani I, Kuwabara K.: "Validation of a theory-based costing methodology through simulation in a virtual hospital : Towards a standardized model of patient-level costing with two-dimensional components"The Proceedings of 4th World Congress of International Health Economics Association. 4. 54-55 (2003)
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[Publications] Sekimoto M., Imanaka Y.: "Practice variation in perioperative antibiotic prophylaxis in Japan"The Proceedings of 20th ISQua International Conference on Quality in Health Care, Dallas. 20. 54-55 (2003)
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[Publications] Hirose M, Imanaka Y, Ishizaki T, Evans E.: "Profiling hospital performance of laparoscopic cholecystectomy based on administrative data"The Proceedings of 20th ISQua International Conference on Quality in Health Care, Dallas. 20. 53-54 (2003)
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[Publications] 今中雄一: "医療の質と経済性の情報化"病院管理. 40(2). 1 (2003)
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[Publications] 今中雄一: "医療評価と情報公開"自治体学研究. 86. 38-43 (2003)
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[Publications] 今中雄一: "どのようにして医療の質、麻酔の質を評価するか"Journal of Anesthesiology. 17. S146 (2003)
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[Publications] 永井良三, 武藤正樹, 今中雄一ほか: "医療の質と安全管理"内科. 92(6). 1149-1161 (2003)
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[Publications] 今中雄一: "クリティカルパスと診療プロセス管理"整形外科. 54. 986-991 (2003)
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[Publications] 今中雄一: "ホスピス・緩和ケアと病院機能評価"ターミナルケア. 13. 121-124 (2003)
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[Publications] 桑原一彰, 松田晋哉, 今中雄一, 他: "日本版『試行診断群分類』-とくに臨床からの視点から2."病院. 62(5). 394-398 (2003)
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[Publications] 桑原一彰, 松田晋哉, 今中雄一, 他: "日本版『試行診断群分類』-とくに臨床からの視点から1."病院. 62(4). 316-319 (2003)
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[Publications] WHO-IHF (Imanaka Y as the principal investigator for the Western Pacific Region): "A Global Study on Experiences in Hospital Sector Reform, The performance of hospitals under changing socio-economic conditions"World Health Organization. 171 (2003)
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[Publications] 今中雄一編著: "医療の原価計算:患者別・診断群分類別コスティング・マニュァルと理論・実例"社会保険研究所. 214 (2003)
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[Publications] 今中雄一: "医療の原価計算:序論.今中雄一編.医療の原価計算:患者別・診断群分類別コスティング・マニュアルと理論・実例"社会保険研究所. 4(9-12) (2003)
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[Publications] 今中雄一: "医療の原価計算:基礎理論と展開.今中雄一編.医療の原価計算:患者別・診断群分類別コスティング・マニュアルと理論・実例"社会保険研究所. 14(19-32) (2003)
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[Publications] 今中雄一: "患者別・診断群分類別原価計算方法標準マニュアル.今中雄一編.医療の原価計算:患者別・診断群分類別コスティング・マニュアルと理論・実例"社会保険研究所. 25(33-57) (2003)
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[Publications] 今中雄一: "原価計算方法調査票.今中雄一編.医療の原価計算:患者別・診断群分類別コスティング・マニュアルと理論・実例"社会保険研究所. 15(58-72) (2003)
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[Publications] 今中雄一他: "患者別・診断群分類別原価計算方法標準マニュアル「解説書」.今中雄一編.医療の原価計算:患者別・診断群分類別コスティング・マニュアルと理論・実例"社会保険研究所. 57(73-129) (2003)
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[Publications] 桑原一彰, 今中雄一: "DPCと外科診療.松田晋哉編.21世紀の医療と診断群分類-DPCの実践とその可能性"じほう. 8(32-39) (2003)
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[Publications] 今中雄一: "患者別・診断群分類別原価計算の標準的な方法論の開発.松田晋哉編.21世紀の医療と診断群分類-DPCの実践とその可能性"じほう. 9(75-83) (2003)
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[Publications] 今中雄一: "医療革新時代の診療報酬、医療評価と電子カルテ.里村洋一編.電子カルテが医療を変える(第二版)"日経BP社. 16(53-68) (2003)
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[Publications] 今中雄一: "電子カルテとクリテイカルパス.里村洋一編.電子カルテ炉医療を変える(第二版)"日経BP社. 18(69-86) (2003)
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[Publications] 今中雄一他(分担著): "EBM(根拠に基づいた医療).医業経営用語事典編集委員会編.医業経営用語事典"日本出版. 1(309) (2003)