2004 Fiscal Year Annual Research Report
スルフヒドリル基を介したアロマターゼ阻害作用をもつ産業化学物質の生殖、次世代影響
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15659148
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市原 学 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90252238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 民江 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10020794)
上島 通浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80281070)
前多 敬一郎 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30181580)
束村 博子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00212051)
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Keywords | 養育行動 / 授乳 / 次世代影響 / 妊娠 / 生存率 / Wistar-Imamichi / 1-ブロモプロパン / 吸入曝露 |
Research Abstract |
40匹のWistar-Imamichi雌ラットを10匹ずつ4群に分けた。妊娠確認後、実験1と同様に1-ブロモプロパンの連日曝露を行った。4群は800ppmを1群と、0ppm(新鮮空気)を3群用意した。0ppmのうち1群は、出産した仔を、800ppm群の仔と出産直後に交換し、他の2群は、それぞれの仔を出産直後に相互に交換した。つまり、曝露母から出生した仔は非曝露母に養育され、非曝露母から出生した仔は曝露母に育てられる組み合わせと、その対照として非曝露母から出生した仔同士を交換した組み合わせができたことになる。離乳日に母と仔を解剖した。本実験では、離乳までの仔の生存率・体重増加率では、対照群に対し、A(非曝露母から出生/曝露母が養育)、B(曝露母から出生/非曝露母が養育)で有意な減少を認めた。A, B間では生存率には有意差を認めなかったが、体重増加率ではBに比べAが有意に減少した。生存率については、胎児曝露と、経乳汁曝露を含む母親の養育機構障害により同程度の影響を受けるが、体重増加率では、後者の影響が大きいと考えられた。また、離乳後の観察でも、非曝露母から出生後に、曝露母から養育を受けた群では、他と比べ成長が大きく遅延したことから、次世代への発達影響を後々まで引き起こす可能性があることを示唆している。ヒトに対する発達毒性はまだ明らかにされていないものの、労働現場での妊娠・授乳中の1-BP曝露は、女性自身への神経生殖毒性のみならず、子への影響が懸念される。
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Research Products
(6 results)