2005 Fiscal Year Annual Research Report
スルフヒドリル基を介したアロマターゼ阻害作用をもつ産業化学物質の生殖、次世代影響
Project/Area Number |
15659148
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市原 学 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90252238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 民江 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10020794)
上島 通浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80281070)
前多 敬一郎 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30181580)
束村 博子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00212051)
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Keywords | 1-ブロモプロパン / 2-ブロモプロパン / アロマターゼ / 神経毒性 / アポトーシス |
Research Abstract |
18匹の雄F344ラットを6匹ずつの3群にわけ、それぞれに1-ブロモプロパン1000ppm、2-ブロモプロパン1000ppm、新鮮空気を8時間曝露した。16時間後に断頭し、精巣を取り出し、液体窒素で急速凍結した。液体窒素にて冷却しながら凍結精巣をハンマーにて粉砕し、凍結粉末からRNA抽出キットを用いてRNAを抽出した。電気泳動にてRNAの分解がないことを確認し、ラット精巣用DNAマイクロアレイ(DNAチップ研究所)を用いて遺伝子発現の変化を調べた。5082遺伝子中、263の遺伝子が1-ブロモプロパンと2-ブロモプロパンの曝露で共通して抑制されており、それには、S100,Creatinine kinase、glutathione S transferaseが含まれていた。37の遺伝子は1-ブロモプロパン曝露のみによって抑制され、119の遺伝子は2-ブロモプロパン曝露によってのみ抑制されていた。選択した遺伝子の遺伝子発現変化をリアルタイムPCRにより確認した。また、アロマターゼ遺伝子は1-ブロモプロパン,2-ブロモプロパンの曝露により発現が抑制されていた。 1-ブロモプロパン曝露によって、ナトリウムチャンネル関連遺伝子の誘導、ATP結合、イオンチャンネル系の抑制、2-ブロモプロパン曝露により、DNA損傷関連遺伝子が誘導されており、1-ブロモプロパンが神経毒性が強く、2-ブロモプロパンが精租細胞アポトーシスを誘導するという過去の実験結果を説明するものであった。
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Research Products
(6 results)