2004 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患発症における精神的ストレスの役割:β-エンドルフィンを媒介にして
Project/Area Number |
15659162
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
松本 正幸 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50028677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 邦充 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (40243274)
森本 茂人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20150336)
中橋 毅 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40350764)
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Keywords | 虚血性心疾患 / 動脈硬化 / 精神的ストレス / アポEノックアウトマウス / プラーク |
Research Abstract |
1.アポEノックアウトマウスの動脈硬化進展過程に対する精神的ストレスの影響 遺伝性動脈硬化発症アポEノックアウトマウス雄雌4ペアをジャクソンラボから購入し、掛け合わせて継代した。6週齢の雄を高コレステロール食で飼育し、精神的ストレスをかけ、動脈硬化進展過程に対する影響を経時的に観察した。体動不可能なケージに6時間閉じ込める拘束ストレス群(n=8)と、氷水の中を4分泳がせる強制水泳ストレス群(n=16)を作成した。いずれのストレスも隔日に与え、3ヶ月続けた。終了後、胸部および腹部大動脈を単離、固定、HE染色し、組織学的に検索した。内膜に脂質を取り込んだ動脈硬化プラークはストレスをかけない対照群(n=8)において大動脈ツリーにおける分岐部を中心に3.1±0.8(平均±標準偏差)個存在した。拘束ストレス群では3.5±1.1個存在し、対照群と有意差を認めなかった。一方、強制水泳ストレス群は実験開始1ヶ月後から計9匹が突然死した(5匹は水泳中)。生存した7匹と組織を採取できた水泳中死5匹の計12匹では、プラークは4.6±2.2個存在した。対照群に比べやや増加傾向があるものの、有意差は認められなかった。突然死した個体でも、心筋組織の壊死や大動脈プラークの有意な増加は認められなかった。 今後は動脈硬化を促進させると報告されている炎症性サイトカインやホルモンが実際に放出されるストレスを探し、長期間負荷する実験が必要である。 2.ヒト虚血性心疾患の発症進展とμ-オピオイド受容体遺伝子多型との関係 ストレス反応を形成する視床下部-下垂体系の神経伝達機構の制御を行う重要なシナプス受容体であるμ-オピオイド受容体の、エクソン1の第118塩基の多型をリアルタイムPCRにて増幅して検索しようとした。しかし、成功していない段階で年度末となりました。結果はまだ得られておりません。
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