2003 Fiscal Year Annual Research Report
アモキシシリン耐性ヘリコバクター・ピロリ菌の耐性機構解明とその診断・治療法の開発
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15659172
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
白井 睦訓 山口大学, 医学部, 教授 (20196596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 公志郎 山口大学, 医学部, 助手 (30284243)
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Keywords | Helicobacter / H. Pylori / アモキシシリン / ペニシリン / 薬剤耐性 / ペニシリン結合タンパク / 消化性潰瘍 / 除菌療法 |
Research Abstract |
慢性胃炎、消化性潰瘍の原因菌Helicobacter pylori(H. Pylori)の除菌療法は、アモキシシリンを用いる3剤併用療法が主流であるが、近年、薬剤耐性H. Pyloriの存在が問題となってきている。今回、我々は韓国で分離されたアモキシシリン耐性株の耐性化機序について明らかにすべく、ペニシリン系抗生物質の作用部位であるPenicillin Binding Protein(PBP)に注目し、耐性獲得にその変異が関与するかについて研究を行った。 材料菌株は、韓国で分離されたアモキシシリン耐性株2株と、韓国、日本、欧米で分離されたアモキシシリン感受性株9株である。対数増殖期の膜画分蛋白をビオチン化アンピシリン(BIO-AMP)で処理後、SDS-PAGEで分離しPBPを可視化した。既知の塩基配列をもとにPCR法にて感受性株あるいは耐性株のpbp1遺伝子をクローニングし、塩基配列決定や形質転換に用いた。形質転換にはnatural transformation法を用いた。 いずれの株でも2種のPBP(PBP1、PBP2、PBP3)が検出された。耐性菌由来ゲノムDNAを用いた感受性株の形質転換により耐性クローンを作製し、それらのPBPを比較した。PBPの数、発現量に差はなかったが、耐性導入クローンでは感受性親株に比しPBP1のアモキシシリンに対する親和性が著しく低下していることが明らかになった。さらに、pbp1遺伝子の塩基配列を調べたところ、耐性導入クローンの塩基配列は、感受性親株のものではなく耐性株のものと同一であった。これらpbp1遺伝子から推定されるアミノ酸配列は、この感受性株と耐性株間で5残基で変異しており、そのうち1残基はPBP1結合領域と想定されるに部位あった。また、耐性株から得たpbp1遺伝子の全長PCR産物あるいはC末側断片のみで感受性菌に耐性を導入することができた。 このことからPBP1の変異がアモキシシリン耐性獲得に重要であることが明らかになった。本研究で得られた知見は今後、同耐性菌の新たな除菌治療薬の開発、分子生物学的耐性診断法の開発に役立つものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takahashi T: "Molecular mimicry by Helicobacter pylori CagA protein may be involved in the pathogenesis of H. pylori-associated chronic idiopathic thrombocytopenic purpura."British J.Hematol.. 124・1. 91-6 (2004)
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[Publications] Ishihara M: "Clinical implication of acute hyperglycemia as an independent predictor for mortality after acute myocardial infarction in the coronary intervention era."Journal of American College Circulation Society. (in press). (2004)
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[Publications] Yoneda H: "Aspirin Inhibits Chiamydia pneumoniae-Induced NF-κB Activation, COX-2 Expression and PGE2 Synthesis, and Attenuates Chlamydial Growth."J.Med.Microbiol.. 52・5. 409-15 (2003)
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[Publications] Toh H: "In silico inference of inclusion membrane protein family in obligate intracellular parasites chlamydiae."DNA Research. 10. 9-17 (2003)
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[Publications] Kosuge M: "Effect of preinfection angina pectoris on infarct size and in-hospital mortality after coronary intervention for acute myocardial infarction."American J.Cardiol.. 92. 840-843 (2003)
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[Publications] Komura H: "Effects of antiasthrna drugs on the grouth of Chiarnydophila pneumoniae in HE-p2 cells"J.Infect Chemother. 9. 160-164 (2003)