2004 Fiscal Year Annual Research Report
HCV core蛋白を標的とした新たな遺伝子治療戦略の可能性
Project/Area Number |
15659175
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岡上 武 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (20150568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 義人 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (70244613)
伊藤 克彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (90281097)
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Keywords | レトロウイルス / ベクター / 肝細胞 / 肝癌 / 癌遺伝子 |
Research Abstract |
昨年度は基礎的検討として、肝癌細胞株HuH7に対して癌遺伝子G(G)-siRNAをtransientにover-expressionさせる実験とレトロウイルスベクターによるG-siRNA導入実験を行った。Transientの発現実験では、G-siRNAがover-expressionした肝癌細胞株HuH7では、コントロールと比べてHuh7細胞数が有意に低下することが明らかとなった。その機序としては、Annexin VとsubG1陽性細胞の増加、すなわち、アポトーシスの関与が考えられた。レトロウイルスベクターによりG-siRNAを導入したHuh7細胞を用いた実験でも同様の実験結果が得られている。以上の結果より、C型肝炎ウイルス(HCV)-siRNAを発現させる実験に用いる系が確立したと考えた。 従って、本年度は実際にC型肝炎ウイルス(HCV)-siRNAを肝癌細胞株で発現させる実験を計画した。すなわち、肝癌細胞株HuH7においてHCV-siRNAをtransientにover-expressionさせる実験とレトロウイルスベクターによる肝癌細胞株HuH7へのHCV-siRNA導入実験を行った。しかし、いずれの実験系においても、HCV-siRNAの発現は確認できなかった。 現在、種々の肝癌細胞株PLC/PRF/5,Huh7,HepG2,HLEやその他の細胞株Hela細胞,HEK293などでHCV-siRNAを発現させるのみならず、その発現がP53やMDM2などの癌遺伝子や癌抑制遺伝子の動態に及ぼす影響を検討している。
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