2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659177
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北畠 顕 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00124769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 純一 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (30144463)
岡本 洋 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50260394)
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Keywords | 拡張型心筋症 / β遮断薬 / ACEI / D多型 / SOD / NOS3 / J-CHF試験 |
Research Abstract |
1991年から2002年まで北海道大学循環器内科を初診した拡張型心筋症136例を対象に、心エコー上、%FS(左室内径短縮率)の改善3%以上増加を改善、3%以内を不変、-3%以上減少を悪化とした場合、β遮断薬投与群では改善36.3%、不変55.8%、悪化7.8%であった。心機能の改善は、臨床症状の改善、血漿ANP、BNP値の低下と相関したが、必ずしも投与前の心機能、心拍数、血漿ANP、BNP値とは相関せず、長期的にresponderを予測することは困難であった。また、心機能改善群、非改善群おける死亡はそれぞれ、1例、11例とβ遮断薬投与によるresponder群で有意な予後改善が示された。さらに、responder群で心機能、心拍数、血漿ANP、BNP値の有意な改善が観察された。血漿中metoprolol及びcalvedilolの平均薬剤血中濃度は、responder群non-responder群の間に差を認めなかった。β1受容体Ser49Gly、β2受容体Arg16Gly、Glu27Gln、β3受容体Arg64Gly、ACEI/D多型、SOD、NOS3遺伝子遺伝子変異を含めた多型性解析を行った結果、β遮断薬responder群でβ2受容体Glu27Gln変異およびACEDアレル頻度、NOS3遺伝子Glu298Asp変異の増加傾向を認めた。ACEDアレルとNOS3変異においてsynergisticな解析を行った結果、responder群で約8倍のオッズ比の増加を認めた。したがって、β遮断薬の投与量における著しい個体差は遺伝的素因に基づく薬物動態的あるいは薬力学的な個体差だけでなく、原疾患の病態や重症度に関わる遺伝子の関与が想定された。β遮断薬投与のresponderは突然死や心不全への移行が少なく、生命予後の点でも改善が期待される。β遮断薬に関して、遺伝子多型性解析などの予備試験の結果を受けて、日本人に効果的な最低用量を知ること、その予測因子を明らかにし、個別化医療を進めることを目的としてJ-CHF試験を立ち上げた。J-CHF試験は、心不全領域において、我が国初めての医師主導による大規模臨床試験である。今後、J-CHF試験によるprospectiveな解析に基づき心不全治療薬使用適正化のためのゲノムチップ作製を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 岡本 洋: "心不全治療におけるテーラーメード医療-心不全生命予後とβ遮断薬治療との効果-"J Clin Therap Med. 19. 522-531 (2003)
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[Publications] 岡本 洋, 清水紀宏, 秋野正敏, 塚本隆裕, 北畠 顕, 南畝晋平, 福田剛史, 藤尾 慈, 東純一: "心不全治療におけるテーラー・メード医療-心不全生命予後とβ遮断薬治療の効果-"Jpn J Clin Pharmacol Ther. 34(3). 495S-496S (2003)