2003 Fiscal Year Annual Research Report
バイオペースメーカー細胞の樹立と徐脈性不整脈の細胞治療
Project/Area Number |
15659183
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
室原 豊明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90299503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 康信 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
因田 恭也 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10359747)
近藤 隆久 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00303644)
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Keywords | 心筋再生 / 刺激伝導系 / 遺伝子治療 / 再生治療 / 虚血性心疾患 / 細胞治療 / 不整脈 / イオンチャンネル |
Research Abstract |
徐脈性不整脈である洞不全症候群や完全房室ブロックにおいては、恒久式ペースメーカーが体内に植え込まれ、生命予後の改善がもたらされている。しかしながらペースメーカー本体が高価であり数年毎に電池交換を必要とするなど、医療経済的には問題点が多い。近年、再生医療工学・遺伝子工学・分子細胞生物学の発展に伴い、心臓に関しても心筋再生、血管再生の研究がなされ成果が上げられている。さらに今後は洞結節や房室結節などの自動能を持つ刺激伝導系と異なり、通常は自動能を持たない心室筋細胞も遺伝子治療により自動能を持ち、自律的に心臓を収縮させる可能性があることが報告されている。本研究では、(1)遺伝子導入による心室筋細胞からの洞結節様機能細胞の樹立、ならびに(2)自己骨髄間質細胞からの洞結節様機能細胞の樹立を試みる。本研究の目的は、心房筋や心室筋が自動能を持つようになるメカニズムに関して、遺伝子導入により引き起こされるイオンチャネル、ギャップジャンクション等の電気生理学的な変化を検討することである。さらに実験動物において、遺伝子導入による心筋の自動能発現が、徐脈性不整脈に対する治療法として有効か否かを検討することである。徐脈性不整脈の治療法として、遺伝子導入によるバイオペースメーカーが実現すれば、これまでの器械によるペースメーカー治療と異なり、患者の肉体的な負担が軽減されると期待される。また、現在の莫大な医療費の一部をしめていると考えられる高価な医療機器を使う必要がなくなり、医療費削減に貢献し得る。今回はラット新生児心筋細胞を行う。生後1日の新生児ラットより心室筋細胞をトリプシン処理にて単離する。細胞は10%ウシ胎児血清存在下のDMEMにて培養、および拡張(cell expansion)する。当初の予定では、dominant negative Kir2.1 (dn-Kir2.1)センダイウイルス遺伝子ベクターを開発し、培養心筋細胞に遺伝子導入を試みる予定であったが、センダイウイルス遺伝子ベクターの安全性が定まらないこと、海外においてこのベクターの実績が無いこと。したがって将来の臨床応用や産業化の目途が立たないことなどが明らかにされてきた。そこで我々は予定を変更し、アデノ随伴ウイルスによるdn-Kir2.1遺伝子導入を試みる予定である。 Kir2.1アデノ随伴ウイルスベクターは、名古屋大学環境医学研究所、李博士、タフツ大学聖エリザベス医療センターの相川助教授らとの共同研究で行っていく予定である。今年度は作成した遺伝子導入心室筋細胞に対してパッチクランプ法を用い、洞結節型の脱分極反応を示すか否かを検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Akita T, Murohara T, et al.: "Hypoxic preconditioning augments efficacy of human endothelial progenitor cells for therapeutic neovascularization."Laboratory Investigation. 83. 65-73 (2003)
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[Publications] Egami K, Murohara T et al.: "Role of host angiotensin II type 1 receptor in tumor angiogenesis and growth."Journal of Clinical Investigation. 112. 67-75 (2003)
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[Publications] Sasaki K, Duan J, Murohara T.et al.: "Rescue of hypercholesterolemia-related impairment of angiogenesis by oral folate supplementation."Journal of American College of Cardiology. 42. 364-372 (2003)
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[Publications] Numaguchi Y, Okumura K, Muroharal T et al.: "Catheter-based prostacyclin synthase gene transfer prevents in-stent restenosis in rabbit atheromatous arteries."Cardiovascular Research. 61. 177-185 (2004)
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[Publications] Takeshita K, Murohara T et al.: "Increased expression of plasminogen activator inhibitor-1 in cardiomyocytes contributes to cardiac fibrosis after myocardial infarction."American Journal of Pathology. 164. 449-456 (2004)
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[Publications] Murakami R, Murohara T, et al.: "Cyclosporin A enhances interleukin-8 expression by inducing activator protein-1 in human aortic smooth muscle cells"Arteriosclerosis Thrombosis Vascular Biology. 23. 2034-2040 (2003)