2003 Fiscal Year Annual Research Report
胚性幹細砲を用いた、心血管発生機構の解明、ならびに難治性心血管病における組織再生
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15659185
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森下 竜一 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教員(客員教授) (40291439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 真一郎 大阪大学, 医学系研究科, 研究員
青木 元邦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00346214)
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Keywords | 細胞外基質 / 血管新生因子 / 胚性幹細胞 / 血管内皮細胞 / HGF |
Research Abstract |
ES Cellsから形成されたEBを増殖因子の含有の少ない細胞外基質(Matrigel)と接触させ,血管構造を発生できる培養システムを用い以下の検討を行った。胎生期または成体において血管新生作用が知られているVEGF, HGFまたはbFGF,の中和抗体を添加し、EBからの血管発生を観察したところ、VEGF抗体の添加郡では明らかに、血管構造の伸長、分岐が阻害されていた。一方、HGF、bFGFの抗体添加郡においては、VEGF添加郡程明らかな血管発生の阻害は認めないものの、血管構造の分岐の阻害を認めた。次に、これらの血管新生因子の精製タンパクで血管新生刺激を与えたEBにおいても同様の検討を行った。VEGF添加郡では、添加を行わなかった郡(Matrigelとの接触のみ)で発生した血管構造と大きな違いを認めなかったが、HGFにおいては、その添加濃度の違いにより、血管構造を認めるもの(25ng/ml)、また血管構造を全く認めず、血管構成細胞以外の細胞の増殖を認めるもの(100ng/ml)を認めた。さらに興味深いことに、HGF(25ng/ml)で刺激を行った郡では、構築された血管構造が、免疫染色により血管内皮細胞のマーカーPECAM-1,FLK-1のみならず、ペリサイト、平滑筋細胞などの血管支持細胞のマーカalpha-sm-actinを発現してしていることより、HGFがより成熟した血管構造を誘導している可能性が示された。In vivoの実験系として、Matrigel間で培養した蛍光GFP標識のEBを、Matrigelとともにヌードマウス(NOD/SCID)の皮下に植え込んだところ、一週間後には、GFP陽性(ES由来)の血管構造およびマウス由来の血管構造が観察された。しかしながら、3カ月後には奇形種の発生を認める固体があり、Matrigel上の血管構造部分のみを植え込む方法で検討を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Morishita R: "Cardiovascular disease : gene therapy."The encyclopedia of the human genome. Nature publishing.. In press.
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[Publications] Morishita R: "Gene therapy in cardiovascular medicine : recent advances and perspectives."Drug and Today. In press.