2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄単核細胞移植療法による虚血肢の遺伝子発現変化の網羅的解析と遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
15659191
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
今泉 勉 久留米大学, 医学部, 教授 (60148947)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新山 寛 久留米大学, 医学部, 助手 (30309778)
甲斐 久史 久留米大学, 医学部, 助教授 (60281531)
|
Keywords | 血管新生 / 再生医学 / 遺伝子発現 / 細胞移植 / がん / 高脂血症 / アンジオテニシンII / サイトカイン |
Research Abstract |
本年度の目的は、虚血肢に対する血管新生療法として骨髄単核球移植を行った際に移植部位に発現が誘導される血管新生促成因子を網羅的にスクリーニング・同定し、その血管新生促進因子の遺伝子を移植する骨髄単核細胞に導入し新しい効率よい遺伝子治療と細胞移植のコンビネーション治療法を開発することであった。 (1)ラット下肢虚血モデル: F344ラット左大腿動静を切離し定法にしたがい下肢虚血モデルを作成した。 (2)骨髄単核細胞分離・細胞移植: Fisher F-344ラットの大腿骨・脛骨の骨髄より骨髄単核細胞をMuroharaらの方法にて分離、ウシ胎児血清で初代培養した。 下肢虚血手術3日後に、培養骨髄単核細胞を虚血肢大腿四頭筋内に筋注した。 (3)骨髄単核細胞移植による血管新生の評価: a.機能的評価:レーザードップラー血流測定法を用いて下肢血流量の経時的変化を、細胞移植28日後に血管造影を施行血管新生の程度を評価した。 b.組織学的評価:第8因子組織染色切片を用いて大腿四頭筋内の毛細血管密度を検討。蛍光顕微鏡を用いて毛細血管に取り込まれた骨髄単核細胞を確認。 (4)骨髄単核細胞移植によってラット虚血肢に発現変化をきたす遺伝子の解析: a.虚血手術前、細胞移植前(虚血手術3日後)、細胞移植1日後、細胞移植3日後、細胞移植7日後、細胞移植28日後に、虚血肢の大腿四頭筋からメッセンジャーRNAを抽出した。 b.現在、GeneChipシステムとラット遺伝子解析チップを用いて、虚血肢における遺伝子発現変化プロフィールを経時的に解析中である。 (4)この研究の過程で、虚血肢血管新生が高脂血症により阻害されるが葉酸による内皮細胞機能改善でレスキューしうること、血管新生にアンジオテンシンIIを介した炎症が関与しており、がん栄養血管新生にも同様の機序が存在することを報告した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Sasaki K, Imaizumi T(他7人、9番目): "Rescue of hypercholesterolemia-related impairment of angiogenesis by oral folate supplementation"J Am Coll Cardiol. 42(2). 364-372 (2003)
-
[Publications] Egami K, Imaizumi T(他8名、10番目): "Role of host angiotensin II type 1 receptor in tumor angiogenesis and growth"J Clin Invest. 112(1). 67-75 (2003)