2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経疾患における呼吸器合併症の予防に関する研究:超小型呼吸モニタ装置の開発と応用
Project/Area Number |
15659206
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野寺 宏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20214207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸山 泰人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30136428)
上月 正博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
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Keywords | 呼吸不全 / 神経難病 / 突然死 / 肺炎 / パーキンソン病 / 無呼吸 |
Research Abstract |
多系統変性症(MSA)とパーキンソン病(PD)を対象として呼吸動態と睡眠時呼吸異常を検討し,呼吸モニター装着による生命予後改善効果を追跡調査した.MSA患者は突然死の頻度が極めて高いが,24時間呼吸動態モニターを6例のMSA患者に連続的に実施したところ全例が生存中である.SpO2の連続モニターが突然死の予防に極めて有用であることが明らかになった.PD患者211例のなかで死因を解析した結果,突然死が15%に認められ,PDの突然死は稀ではないことが明らかになった.重症PDでは軽症PDと比較して有意に睡眠時無呼吸発作の頻度が高く,無呼吸発作時の自律神経応答はPD患者で有意に障害されていた.MSAにおいても無呼吸後のSpO2が著明に低下することが明らかになった.既に我々はPDとMSAでの動脈血酸素分圧低下時の呼吸応答の高度障害を報告しており(Lancet 356,739-740,2000, Annals of Neurology 52,367-371,2002),本研究の結果とあわせてMSAの突然死には睡眠時無呼吸が極めて重要な因子であることを証明した.脳幹呼吸中枢と末梢化学受容器を病理学的に検討した結果,PDでは呼吸関連神経核に異常タンパクの沈着が見出された.新リハビリテーション法による生命予後・機能予後に対する効果判定には長期間のフォローアップが必須であり,効果の判定は今後の課題とした. 1.PDおよびMSA患者では種々の呼吸調節機能異常を合併していることが明らかになった. 2.呼吸モニター装置による24時間呼吸監視システムの運用により,MSA患者の突然死を予防することができた. 3.PDやMSAのみならず神経内科の担当する疾患(脳血管障害,神経免疫疾患)患者の多くが呼吸器合併症に苦しむ.呼吸器合併症予防と早期治療によるADLおよび生命予後改善のため,本研究をさらに発展させる必要がある.
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Research Products
(2 results)