2003 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ管システムに関わる分子の網羅的スクリーニング
Project/Area Number |
15659230
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
尾池 雄一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90312321)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 年生 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60118453)
|
Keywords | リンパ管 / 血管生物学 / V6GF / アンジオポエチン / LYVE-2 / リンパ管腫 / リンパ節転移 |
Research Abstract |
(目的)リンパ管の分子基盤を明らかにすることはリンパ管に関わる種々の疾患の原因究明・治療法開発に関わると予想され、大きな期待がもたれる。我々は、正常リンパ管内皮細胞及びがんにおけるリンパ管転移に伴うリンパ管新生の際に出現するリンパ管内皮細胞より、リンパ管の発生・新生に重要な分子を網羅的に単離同定し、リンパ管新生の分子基盤を明らかにする。 (結果)1.リンパ管内皮細胞を純化・単離する抗体の作製 本年度はリンパ管内皮細胞に発現する分子を解析するために、まずリンパ管内皮細胞をより純化し単離することができる抗体の作製を行った。まずリンパ管内皮細胞に、より特徴的に発現するLYVE-1の細胞外ドメインを認識する抗体を作製し、マウスLYVE-1に対するモノクローナル抗体を3クローンの樹立に成功した。この3クローン間に差はなく、免疫組織染色でリンパ管内皮細胞を認識する抗体であることを確認した。また細胞分離装置(FACS)を用いた解析ではリンパ管内皮細胞を純化し単離できることを確認した。これらの収集したリンパ管内皮細胞で既に血管内皮細胞で明らかとなっている分子マーカーの発現を検討し、血管内皮細胞とその発現を共有する分子、リンパ管内皮細胞もしくは血管内皮細胞に特異的な発現をする分子があることを明らかにした。また、それらのパターンも発生期の胎児と成体では異なる分子が存在することが明らかとなった。来年度はこの抗体を用いてリンパ節転移を伴う担がんマウスモデルから新生リンパ管内皮細胞を収集し、正常リンパ管内皮細胞と比較することによりその性格を明らかにする予定である。 2.リンパ管腫に発現する新規分子の探索 リンパ管腫モデルマウスを作製しその腫瘍細胞を免疫源にラットに抗体を作製させた。その結果、リンパ管腫を特異的に認識する抗体を得た。現在、その抗体が認識する分子の同定を試みているところである。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Yuichi Oike: "Angiopoietin-related growth factor (AGF) promotes epidermal proliferation, remodeling and regeneration"Proceeding of the National Academy of Sciences of the United States of America. 100・16. 9494-9499 (2003)
-
[Publications] Yasuhiro Ito: "Inhibition of angiogenesis and vascular leakiness by Angiopoietin-related Protein 4"Cancer Research. 63・20. 6651-6657 (2003)
-
[Publications] Yuichi Oike: "Angiopoietin-related growth factor (AGF) promotes angiogenesis"Blood. (印刷中). (2004)
-
[Publications] Hiromitsu Maekawa: "Ephrin-B2 induces migration of endothelial cells through the P13-kinase pathway and promotes angiogenesis in adult vasculature."Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology. 23・11. 2008-2014 (2003)
-
[Publications] Yoshihiro Yamada: "Neuropilin on hematopoietic cells as a source of vascular development"Blood. 101・5. 1801-1809 (2003)
-
[Publications] Koichi Hamada: "Distinct role between ephrin-B2 forward and EphB4 reverse signaling in endothelial cells"Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology. 232. 190-197 (2003)