2003 Fiscal Year Annual Research Report
脱髄疾患におけるプロスタグランディン-NOクロストークの解明
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15659246
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷池 雅子 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30263289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下野 九理子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
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Keywords | Prostaglandin D2 / Microglia / prostaglandin D synthase / developing / 多発性硬化症 / twitcher / 脱髄 |
Research Abstract |
プロスタグランジン(PG)とnitric oxide(NO)は、炎症や感染症、外傷等のストレス時に産生が増加し、炎症性メディエーターとして働く。中枢神経系における主要なPGであるPGD_2はリポカリン型PGD合成酵素(L-PGDS)と造血型PGD合成酵素(HPGDS)の2つのアイソザイムによって合成される。この研究は、脱髄巣におけるPGD_2の産生亢進は脱髄疾患に共通した現象であり、脱髄の進行を増強させるとの仮説を検定し、PGとNOの脱髄疾患におけるクロストークを解明することを目的とする。初年度の平成15年は、以下の成果を得た。 (1)NODマウスをMyelin-oligodendrocyte glycoproteinで感作して作成した多発性硬化症(MS)モデルにおいてL-PGDSとHPGDSの発現を解析した。このモデルは再発・緩解を示しヒトMSに似た症状を示すが、L-PGDS, HPGDSの発現は初発時・再発時に増加し、緩解時に減少していた。L-PGDSはオリゴデンドログリアに、HPGSはミクログリア/マクロファージに発現していた。 (2)脳バンクからヒトMS脳パラフィン切片の提供を受け、免疫組織化学にてL-PGDSの発現を調べた。活動性の脱髄病変においてL-PGDS陽性オリゴデンドログリア/アストロサイトが増加していた。 (3)HPGDS-knockout mouseとKrabbe病のモデルであるtwitcherを交配して作成したHPGDS-knockout twitcherにおいては、寿命には変化は生じなかったが、Gliosisが軽減し、ataxia, tremor等の臨床症状は若干軽減した。 (4)twitcherの変性オリゴデンドロサイトをMicrodissectionにより切り出して、mRNAを抽出することに成功した。次年度はPG関連分子、NO関連分子、アポトーシス関連分子の定量を行なう。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mohri I, Eguchi N, Suzuki K, Urade Y, Taniike M: "Hematopoietic prostaglandin D synthase is expressed in microglia in the dedeveloping postnatal mouse brain."Glia. 42(3). 263-274 (2003)
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[Publications] Asari S, Degichi M, Tahara K, Taniike M, et al.: "Seroprevalence survey of measles, rubella, varicella, and mumps antibodies in health care workers and evaluation of a vaccination program in a tertiary care hospital in Japan."Am J Infect Control. 31(3). 157-162 (2003)