2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規合成レチノイドFenretinideによる神経芽腫のアポトーシスの機序の解明
Project/Area Number |
15659249
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
杉本 徹 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90117888)
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Keywords | 神経芽腫 / レチノイド / Fenretinide / アポトーシス / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
【目的】Fenretinide(FR)は、神経芽腫(NB)細胞にアポトーシスを誘導し、臨床応用が期待されている新規合成レチノイドであるが、その作用機序はまだ完全に解明されていない。近年、薬剤誘導性アポトーシスにおいて、細胞内ストレスシグナル伝達路であるJNK(c-Jun N-terminal kinase)およびp38 MAPK (mitogen-activated protein kinase)が重要な役割を果たすことが明らかになってきた。 本研究ではこれまで、NB細胞株において、FRが活性酸素種(ROS)依存性にJNKおよびp38 MAPKシグナル路を持続的に活性化し、その後にアポトーシスが起こることを明らかにした。そこで、FRによるアポトーシスにおける、JNK, p38 MAPKシグナル路の役割について、さらに詳細な検討を試みた。 【方法】当施設で樹立されたヒトNB細胞株KP-N-TKを、JNK特異的阻害剤SP600125またはp38 MAPK特異的阻害剤SB203580で前処置し、その後にFR処理した。これら阻害剤がFRによるアポトーシスを抑制するかを検討した。 【結果】SP600125およびSB203580で前処置すると、位相差顕微鏡での観察において、FRによるアポトーシスが、対照と比べ抑制されていた。 【考案・結論】JNK, p38 MAPKシグナル路が、ROSの下流でFRによるアポトーシスを誘導していると考えられた。今後はRNA interferenceを用いたJNK, p38 MAPK機能阻害を行い、さらに検討を行う予定である。
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Research Products
(3 results)