2003 Fiscal Year Annual Research Report
表皮性POU転写因子Skn-1nを標的とした尋常性乾癬治療法開発のための基礎研究
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15659259
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
玉井 克人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20236730)
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Keywords | Skn-1 / 転写因子 / 表皮角化細胞 / 遺伝子導入 / 超音波 |
Research Abstract |
今回の萌芽研究で計画した研究実施計画は、1)表皮角化細胞の増殖・分化におけるSkn-1nの機能に関する研究、2)Sk-1n特異的RNAiを用いた表皮角化細胞の増殖・分化制御に関する研究、3)生体皮膚へのSkn-1n特異的RNAi導入に関する研究、の3つの研究内容からなる。 1)表皮角化細胞の増殖・分化におけるSkn-1nの機能に関する研究:Skn-1の発現ベクターを作成し、ヒト表皮細胞株であるHaCat細胞に導入して表皮細胞の増殖・分化に与える影響を検討した。その結果、Skn-1nを発現させたHaCat細胞はコントロール細胞に比較して、増殖が低下することがMTTアッセイにより示された。また、Skn-1n発現細胞では、未分化ケラチノサイトマーカーであるBPAG1およびPVAのプロモーター活性がコントロールに比較して低下しており、分化傾向を示していると考えられた。 2)Skn-1n特異的RNAiを用いた角化細胞の増殖・分化制御に関する研究:Skh-1nおよびSkn-1aのcDNA塩基配列を基に、Skn-1n特異的配列に対するsiRNAをデザインし、これを用いてSkn-1n特異的ノックダウンを培養正常ヒトケラチノサイトおよびHaCat細胞を用いて検討した。現在引き続きノックダウン条件の検討を進めている。 3)生体皮膚へのSkn-1n特異的RNAi導入に関する研究:生体皮膚への遺伝子・核酸導入法開発を進めた。生体皮膚は角層バリアーが発達しているため、高分子DNAを導入することは極めて困難である。そのため、ヘアレスラット皮膚角層を50%グリコール酸で除去した後、FITC標識オリゴDNA溶液に浸し、超音波を種々の強度で照射することにより、生体表皮細胞にオリゴDNAを導入する条件を検討、最適条件を決定した。今後、この条件を用いて、2)で得られたSkn-1nノックダウン用siRNAを導入することにより、ラット皮膚でSkn-1nを特異的にノックダウンして、表皮細胞の形質変化を観察する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Oshima, K.: "Intrathecal injection of HVJ-E containing HGF gene to cerebrospinal fluid can prevent and ameliorate hearing impairment in rats."FASEB J. (in press). (2004)
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[Publications] Tamai, K.: "Jpapanese guidelines for diagnosis and treatment of junctional and dystrophic epidermolysis bullosa."Arch Dermatol Res. 295. 24-28 (2003)
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[Publications] Matsuzaki, Y.: "Keratinocyte responsive element 3 (KRE3) : Analysis of a keratinocyte-specific regulatory sequence in the 230-kD bullous pemphigoid antigen (BPAG1) gene promoter."J Invest Dermatol. 120. 308-312 (2003)
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[Publications] Kaneda, Y.: "Current status and future prospects of gene therapy technologies toward the treatment of intractable skin diseases."Arch Dermatol Res. 295. 63-66 (2003)