2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659264
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
橋本 公二 愛媛大学, 医学部, 教授 (00110784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白方 裕司 愛媛大学, 医学部, 助手 (50226320)
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Keywords | 幹細胞 / side population / ヘキスト33342 / 高速セルソーター / keratinocyte |
Research Abstract |
本研究の目的は、皮膚の幹細胞として注目されている表皮細胞のside population細胞(SP細胞)を用いて角膜を再生することである。近年幹細胞としての特徴を有しているside population細胞について検討した。マウスと同様の手技でヒト皮膚のSP細胞について検討したところ、おおむね1-5%の細胞がSP細胞であった。継代を繰り返した細胞ではSP分画が減少しているのが確認された。ヒト表皮角化細胞の幹細胞から角膜上皮細胞へと分化を誘導するには、角膜上皮細胞に特異的に発現している蛋白を同定し、その蛋白を誘導するサイトカインを決定する必要がある。そこで、角膜上皮細胞の無血清培養法を確立し、ヒト角膜から角膜上皮細胞を培養した。3回継代を繰り返した角膜上皮細胞と、同じく継代数をあわせたヒト表皮角化細胞を同時に培養し、サブコンフルエントの状態でRNAを回収し、micro array解析を行った。ヒト表皮角化細胞と比較して、角膜上皮細胞ではケラチン12,FGFR3など数種類で発現の上昇している分子が同定された。そこで、ケラチン12の発現を示標として角膜上皮への分化を検討する目的で、ケラチン12プロモーター組込みルシフェラーゼアッセイのコンストラクトを作製した。このコンストラクトをヒト表皮角化細胞に導入し、各種サイトカインを添加してルシフェラーゼアッセイを行う準備は終了した。 さらに、ヒト三次元皮膚モデルと同様の手技にて角膜上皮の再構成ができるかについて検討した。繊維芽細胞を含むゲル上に無血清培養法にて培養したヒト角膜上皮細胞を播種し、液相下培養に引き続き空気曝露を行い分化を誘導したところ、形態的に角膜に類似した構造を得ることができた。この培養角膜を野兎の角膜欠損モデルに移植したところ、良好に生着し、機能的にも角膜の機能を果たしていた。これらの研究成果は、将来的にヒト表皮角化細胞の幹細胞を用いて角膜の作製が可能であることを示唆していると考えられる。
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Research Products
(5 results)