2003 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患モデルマウス(サイトカインγ鎖欠損)を用いた腸炎の免疫学的解析
Project/Area Number |
15659296
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中田 精三 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (50116068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 壽記 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20231152)
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Keywords | IBD / IL-2Rγchain欠損マウス / IL-6 / Th2 / CD4+Tcell / TCRVβ14 |
Research Abstract |
【背景】1993年以降,各種遺伝子欠損マウスに慢性腸炎が自然発症することが報告され,IBDモデルとして研究に用いられている.その一つであるIL-2 receptor γ chain欠損マウスはγchainを欠損し,このサブユニットはIL-4,IL-7,IL-9,IL-15と共通しているため同時にこれらILのレセプター機能も消失もしくは不十分となる(Disanto JP et al.Immunology 92,1995).このマウスはNK細胞の消失,T, B細胞の減少,胸腺や末梢リンパ組織の著明な低形成,パイエル板の消失,脾腫などを特徴としさらに生後8週頃より炎症性腸疾患類似の大腸炎を併発する.この大腸炎発症のメカニズムは不明であり今後の検討が待たれるところである. 【目的】Common cytokine receptor γ chain deficient mouseにおける大腸炎発症の病態をサイトカインを中心とした免疫学的解析にて明かにする. 【対象・方法】γc-/Yマウスを用い,1.組織学的検討,2.大腸Lamina propria lymphocyte(C-LPL)におけるcell populationの解析,3.C-LPLにおけるTCRV β repertoireの解析,4.細胞内サイトカインFACSによるサイトカイン産生の解析,5.ELISA法によるサイトカイン産生の解析を行った. 【結果】1.IBD発症マウスでは肉眼的には脱肛・大腸の浮腫及び内腔の狭小化,病理組織学的にはcrypt depthの伸長,Goblet cellの減少,粘膜下層における炎症性細胞浸潤など大腸炎に特徴的な所見が認められた.2.C-LPLにおけるcell populationの解析では著明なCD4+T cellの増加を認めた.3.FACSによるTCR V β repertoireの解析ではへは著、IBD発症マウスでVβ14の比率が著明に高くなっていた.4.C-LPLにおけるサイトカイン産生ではIL-6のspontaneousな産生を認めた.5.細胞内サイトカインFACSではCD4+T cellのIL-6産生を認めた. 【考察】TCRV β 14など限られたusageを示すCD4+T cellがTh2系サイトカインとくにIL-6に依存したヘルパー活性を示しIBDの病態形成に深く関わっていることが示唆された.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Mizushima T., Ito T., Nezu R., Kishi D., Kai Y., Tamagawa H., Kiyono H., Matsuda H.: "Therapeutic Effects of a New Lymphocyte Homing Agent FTY720 in Interleukin-10 Gene Deficient Mice with Colitis."Inflammatory Bowel Diseases. 発表予定. (2004)
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[Publications] 水島恒和, 井上善文, 伊藤壽記, 打越史洋, 松田 暉: "腸回転異常症を伴ったクローン病に対する腹腔鏡補助下手術の1例"日本外科系連合学会誌. 28(6). 1024-1028 (2003)
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[Publications] Tamagawa H., Tshukita S., Ito T., Matsuda H., Kiyono H.: "Characteristics of claudin expression in follicle-associated epithelium of Peyer's patches ; Preferential localization of Claudin-4 at the apex of the dome region"Laboratory Investigation. 83(7). 1045-1053 (2003)
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[Publications] 玉川浩司, 伊藤壽記, 松田 暉: "Bacterial translocationにおける樹状細胞とtight junctionの関与"消化器科. 37(1). 7-13 (2003)
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[Publications] 伊藤壽記, 水島恒和: "FTY720の新しい作用機序"日本臓器保存生物医学会. 10(4). 281-293 (2003)