2003 Fiscal Year Annual Research Report
生命科学データベースに基づく消化器特異的な選択的スプライシングの発癌研究への応用
Project/Area Number |
15659303
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三浦 康 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40282074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40249983)
椎葉 健一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90196345)
佐々木 巖 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
砂村 眞琴 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (10201584)
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Keywords | 生命科学データベース / 選択的スプライシング / 発癌 |
Research Abstract |
2001年2月にヒトゲノムプロジェクトの初期達成が宣言され、約30,000個の遺伝子がヒトゲノム上に存在するという報告であった。ひとつの遺伝子から複数の異なるメッセンジャーRNA (splicing variants)が転写されうる選択的スプライシング(alternative splicing)がこれまで以上に重要であると考えられており、選択的スプライシングは全遺伝子の30-50%にあると予測される。日々更新・蓄積されているアメリカNIHのNational Center for Biotechnology Information (NCBI)を中心とする生命科学のデータベース情報を利用することで、各遺伝子の選択的スプライシング、更に消化器を含めた臓器特異的に起こっている選択的スプライシングの可能性を予測することができる。 当教室の外科切除標本から、正常部および腫瘍部の全RNAを抽出し、選択的スプライシングを検出するための第一の方法としてノザンブロッティング法を、第二の方法はTaqman法による定量的RT-PCR法で進めた。この場合、データベースから予測される異なる転写産物(splicing variants)について、2セット以上のRT-PCRプライマーを設計して、それぞれの発現レベルを検出した。胃、大腸その他の臓器と、コントロールとしての細胞株からの全RNAを用いて比較し、臓器特異的あるいは腫瘍特異的な選択的スプライシングの検出が可能である。現段階で特に注目してきたのはBRCA1,VEGF,p73の他にcollagen type I alpha 1,fibronectin 1,claudin 1などの遺伝子であり、腫瘍組織、正常組織での発現レベルの違いを見出しつつ、それらの細胞増殖能、浸潤能、apoptosisなどへの影響、また組織内での発現の局在を、16年以降更に明らかにしていく。
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