2003 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌患者に対する肝移植を想定した肝細胞増殖因子作用下のドナー骨髄移植併用の効果
Project/Area Number |
15659316
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60111043)
山中 潤一 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90289083)
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (30252018)
平野 公通 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90340968)
岩崎 剛 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10151721)
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Keywords | 肝癌 / 肝移植 / 骨髄移植 / GVHD / HGF |
Research Abstract |
肝癌患者に対する新しいstrategyとして、肝移植を想定した肝細胞増殖因子(HGF)作用下のドナー骨髄移植併用効果の検討を行った。まず骨髄移値によるGVHD効果が肝癌に対して抑制効果があり、HGFがGVHDを制御できるかを検討するためにマウス骨髄移植モデルを確立して検討を行った。(方法)(1)マウス肝癌細胞Hep1A (C57BL/6N由来肝癌細胞)をターゲット癌細胞に選択し、これを移植するレシピエントマウスとしてB6C3F1、骨髄移植のドナーとしてC3H/HeNを用いることとした。B6C3F1にHep1Aを移植した群をコントロール群、これに9Gyの全身放射線照射(TBI)を行ったものをTBI群、骨髄移植を施した群をBMT群、さらにHGFを導入したものをBMT+HGF群とした。腫瘍を移植した日をDAY0としHGFはDAY4,11,18,25に各100μg導入、DAY7に全身放射線照射(TBI) 9gyと骨髄移植を行った。腫瘍径の測定はDAY7より1週間ごとに行った。(2)骨髄移植:C3H/HeNの大腿骨より骨髄、脾臓よりリンパ球を採取。全身に9Gyの照射を行ったB6C3F1の尾静脈より注入した(3)HGFの導入:導入にはHVJリポゾーム法を用いて行った。導入量は1回100μgとした。大腿内側に筋肉注射にて行った。(結果)(1)骨髄が移植されたかフローサイトメトリーで確認した。BMT後4週間、4ヶ月のマウスを対象とし骨髄および末梢血リンパ球(脾細胞)について検定したとこち、すべての個体においてほぼ100%のキメラを形成し、長期間にわたり継続していた。(2)腫瘍移植後4週目において平均腫瘍体積(mm3)はコントロール群1263.6、TBI群980.4、BMT群24.3、BMT+HGF群80.6と骨髄移植により腫瘍の発育は有意に抑制された。(3)BMT群ではHE染色にて小腸縦毛、大腸杯細胞の部分的消失、肝臓中心静脈周囲へのリンパ球の浸潤を認め、GVHDの所見を認めたが、BMT+HGF群では軽度GVHD所見を認めるのみであり、HGFによるGVHDの抑制を認めた。現在これらの結果を発展させるべく肝移植モデルの確立を行っている。
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