2004 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞産生3次元細胞外マトリックスを用いた臓器再生因子の検索
Project/Area Number |
15659317
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
村岡 正敏 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (30260334)
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Keywords | 細胞外マトリックス / fibronection / RNAi / 筋芽細胞 / 方向 / APC / 増殖 |
Research Abstract |
1.細胞の向きや形を規定する細胞外因子の同定とその性状の検討 細胞が産生した細胞外マトリックス上に新たに細胞を播いた場合、その細胞の長軸方向が元の細胞の長軸方向と一致する現象を前年度見いだした。本年度はまず前年度その方向を規定する因子の候補として同定されたfibronectinについてRNAiを用いた発現抑制を行い、その方向規定への影響を解析した。細胞としては最も解析し易い筋芽細胞を用いた。この場合方向規定に明確な変化は見いだされなかった。但し、試みた4種類のターゲットサイトでのmRNA発現抑制効果は最高で50%程度であり、その程度の量で方向の規定は十分な可能性もあり更なる解析が必要である。 2.細胞の向きや形の規定における細胞外因子の細胞内への情報伝達メカニズムの検討 最近、細胞の向きの規定に中心体と微小管ネットワークが重要な役割をしていることが報告されてきている。例えば中心体と微小管繊維に結合するAPCの発現をショウジョウバエ中で抑制するとgermline stem cellの細胞分裂の方向性が異常になることが報告されている。そこで筋芽細胞の方向規定にこの系が関与するか検討するためRNAiによりAPCの発現を抑制した。方向の規定については明確な変化は今のところみとめられていないが、面白いことに癌抑制遺伝子のAPCの抑制が筋芽細胞においては増殖抑制を引き起こした。大腸癌で見られるN末のみのAPC蛋白を発現させても同様であった。このことから大腸細胞においてAPCが特殊な役割をしておりそのことが大腸癌発生に関与する可能性が考えられる。
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