2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学・細胞組織工学を応用した拡張型心筋症の新しい治療法の確立
Project/Area Number |
15659324
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福嶌 教偉 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30263247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 芳樹 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (00243220)
松宮 護郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20314312)
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Keywords | 拡張型心筋症 / HGF遺伝子導入 / 筋芽細胞移植 / 併用療法 / 細胞骨格蛋白 |
Research Abstract |
細胞移植とHGF遺伝子導入、およびその併用により,DCMハムスターにおける心機能改善効果・心筋組織の再生効果を検討。 【対象と方法】 対象:27週令BIO TO-2 DCMハムスターに対して,筋芽細胞(FIBハムスター)溶液を注入した群(T群)筋芽細胞溶液とhHGFcDNAを含むHVJ-liposomeを注入した群(T+H群),hHGFcDNAを含むHVJ-liposomeを注入した群(H群),培養液を注入したコントロール群(C群)を作成。方法:直視下に左室の3箇所,右室の1個所にNeedle injection。処置後各週ことに,心機能はDd, DsEFを各群間で比較。組織評価は処理後に,HE,マッソン染色,Factor VIII染色,各細胞骨格蛋白(α-dystroglycan(DG)、α-β-sarcoglycan(SG))の免疫組織染色を施行。 【結果】 心機能:術後3週にEFはC群:32.9%(mean%),H群:45.1%, T群:41.2%, T+H群:45%とC群に比べ有意に改善。4週以後はいずれの群も心機能は徐々に低下したが,T+H群ではH群,T群に比べ心機能が高く維持された。HE,マッソン染色/Factor VIII染色:C群に比べ他の3群で左室壁厚が増大傾向にあり,H群,T+H群では線維化は抑制され、C群に比べ他の3群で有意に血管新生が認められた。免疫組織染色:C群,T群でα-DGおよびα-,β- SGの発現が認めなかったが、H群,T+H群では認められた。 【まとめ】 DCMハムスターに対して,HGF遺伝子導入や筋芽細胞移植の単独治療で心機能や組織学的な改善効果が認められた。HGF遺伝子導入と筋芽細胞移植の併用療法では、単独療法に比べ心機能の改善が維持された。HGF遺伝子導入と筋芽細胞移植の併用療法はDCMの組織・機能再生に有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)