2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659331
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 悌二 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00217548)
近藤 健男 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (30282130)
日下 康子 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00292219)
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Keywords | 衝撃波医療 / レーザー工学 / 脳神経外科 / 神経痛 / レーザー誘発衝撃波 / 衝撃波工学 / 神経内視鏡 / 低侵襲治療 |
Research Abstract |
平成15年度は、頭頚部神経での衝撃波照射を前提として、(1).限局した微弱照射が可能な衝撃波発生装置の作成、(2).照射した衝撃波の伝播動態の検討(模擬物質モデル)を行った。更に、動物実験に先立って、(3).正常坐骨神経近傍組織の組織損傷閾値の検討を行った。 (1)としては、パルス式ホロミウムYAGレーザーを水中細管内照射する際に発生する衝撃波を応用することにより目標とする神経組織に限局化し、周囲に対する温熱効果のない衝撃波発生装置の開発を試みた。しかしながら、現段階では衝撃波を発生源となるレーザー誘発気泡が単振動を起すスペースが限られているために発生衝撃波の過剰圧5MPa程度と十分ではないことが予想されたため、レーザーの変更(Er:YAGレーザー)、衝撃波発生部溶媒(易キャビテーション発生媒体)の使用により過剰圧を上げるための実験を施行したが、著明な圧上昇効果は得られなかった。この結果を受け、電極を用いた衝撃波発生装置を試作中で、物理特性の検討を終了次第、動物実験へ応用する予定である。 (2)については、レーザースペックル干渉法を応用して、模擬物質、ならびに扁平骨に衝撃波を照射した際の歪みの可視化に成功した。今後、より可視化の難度が高い軟部模擬組織において衝撃波を照射した際の至み分布を解析し、その結果を動物実験における組織学的、電気学的所見と対比させ、適切な衝撃波照射方法を確立させていくことが可能であると考えられた。 (3)については、ラット坐骨神経を周囲組織(筋肉・血管・骨)と一塊として摘出し、過剰圧・照射回数を変化させ衝撃波を照射した際の影響を組織学に検討した結果、1MPa程度で血管の破裂が発生してしまい、これが照射過剰圧の制限因子となるものと推察された。今後は、1MPa以下の照射に限定し、電気生理学的検討、免疫染色による検討を加えることにより衝撃波を神経組織に照射した際の影響を更に詳しく検討する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ohki T, Nakagawa A, Hirano T, Hashimoto T, Menezes V, Jokura H, Uenohara H, Sato Y, Saito T, Shirane R, Tominaga T, Takayama K.: "Experimental application of Pulsed Ho : YAG laser-induced liquid jet as a novel device for rigid neuroendoscope."Lasers in Surgery and Medicine. (in press). (2004)
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[Publications] 中川敦寛, 斎藤 務, 日下康子, 大木友博, 神部真理子, 藤村 幹, 平野孝幸, 上野原広司, 佐藤泰彦, 白根礼造, 高山和喜, 冨永悌二: "脳室内における衝撃波医療応用に向けた基礎実験"平成15年度衝撃波シンポジウム講演論文集. (in press). (2004)
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[Publications] 平野孝幸, 中川敦寛, 上之原広司, 城倉英史, 高山和喜, 白根礼造: "ホルミウム・ヤグレーザー誘発液体ジェットに随伴する衝撃波:その医療応用への可能性について"Neurosonology. 16. 33-36 (2003)
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[Publications] 中川敦寛, 日下康子, 平野孝幸, 佐藤真理子, 斎藤務, 白根礼造, 高山和喜: "衝撃波による圧依存性脳損傷に関する組織学的検討"平成15年度衝撃波シンポジウム講演論文集. 417-420 (2003)
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[Publications] Saito T, Marumoto M, Yamashita H, Hosseini SHR, Nakagawa A, Hirano T, Takayama K.: "Experimental and numerical studies of underwater shock wave attenuation."Shock Waves. 13. 139-148 (2003)
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[Publications] Nakagawa A, Kusaka Y, Hirano T, Saito T, Shirane R., Takayama K., Yoshimoto T.: "Application of shock waves as a treatment modality in the vicinity of brain and skull."J Neurosurg. 99. 156-162 (2003)