2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659334
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
滝 和郎 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70144368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 潤 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (50335288)
松島 聡 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50252367)
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Keywords | 頚動脈狭窄症 / ステント留置術 / 内皮細胞 / 細胞移植 / 再生医療 / 血管内治療 |
Research Abstract |
近年、内頚動脈狭窄症を始めとする頚部主幹動脈狭窄症に対するステント留置術が急速に普及してきている。ステント留置術はすでに冠動脈において多数行われているが、20-30%の症例で再発をきたしており冠動脈ステントの重大な問題点となっている。一方、頚動脈ステントでは再発率が5-8%と報告されてきた。しかし最近、4年以上のfollow upで再発率が上昇するというデータが示され、頚動脈ステントにおいても再発予防に真剣に取り組む必要性が出てきた。ステント後再狭窄の問題を解決するためには、炎症反応が起こりにくく、新生内膜増殖をきたしにくいステントの開発を行う必要がある。ステント表面に内皮細胞をコーティングして頚動脈内に留置すれば、留置直後からステント内腔に、より生理的な状態をつくることができ、その後生じる炎症反応と新生内膜増殖を防げる可能性がある。また、この内皮細胞に内膜増殖抑制因子を組み込むことができれば、より効果的に再狭窄の予防が可能となる。ただ、この内皮細胞移植ステントの作成には、安定な内皮細胞の作成、内皮細胞とステント材質との親和性・結合性の向上、内皮細胞への遺伝子操作といった重要な課題を解決する必要がある。そこで、医用材料学と再生医療、組織工学の技術を組み合わせることにより、諸問題を解決した上、従来にない全く新しいタイプのステントを開発するべく研究を行った。結果として、計画年度内には再生内皮細胞移植ステントを完成できなかったが、細胞移植治療のドナーとなるヒト血管内皮細胞の遺伝子修飾による新生血管への生着の高率化の検討を行い、基礎データを得ることができた。
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