2003 Fiscal Year Annual Research Report
胎児水頭症の胎内治療及び病態分析を目的とした神経内視鏡対応フェトカテーテルの開発
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15659344
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大井 靜雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30194062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 浩一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90246413)
田中 忠夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50110929)
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Keywords | 胎児水頭症 / 胎内外科 / ventriculo-amniotic shunt / 胎児中枢神経系奇形 / 出生前画像診断 / 出生前胎内治療 / フェトカテーテル / 神経内視鏡 |
Research Abstract |
本年度は基礎実験計画と臨床応用の検討を開始した。基礎実験計画としては、大動物実験モデル(妊娠山羊)を用いた基礎実験を行った。方法は、推定約30日の妊娠ヤギを、麻酔前投薬を投与した後に気管内挿管し、吸入麻酔薬にて維持した。帝王切開の手術手技にて腹部の正中切開を行い、子宮を露出させ、これに切開を加えて子宮より胎存を露出し、胎児手術の準備を進めた。胎仔は腰仙部のみを露出させた。胎仔腰仙部を正中切開し、椎弓を確認した所で、3椎体にわたり椎弓切除した。黄色靭帯も切除し、硬膜を露出させた所でこの硬膜を約1cm正中切開し、子宮壁皮下組織及び表皮を縫合処置して子宮腔内に戻す事により胎児外科を終了した。この実験は人工的に作成した硬膜欠損がMyelo-meningocele、Myelomeningo-cystoceleなどの病型に於ての基本病態になるかどうかという疑問点からその証明を得るためにデザインされている。実際にこれらの病態を生じているか否かはその出生を待たなければならないが、ここに水頭症病態を含め胎児外科の適応も論ぜられることとなる。出生後はCTおよびMRIにてFollow-upを行う予定であり、今後さらに追跡・追加研究を必要とする。 神経内視鏡対応の機器の開発は、特にドイツカールストルツ杜と企画を検討し本研究開始前には、ほぼ完成の段階にあり、メインインレットからの1.9mm径のrigid endoscope挿入に加え、フレキシブルインレットとしてワーキングチャンネル設置神経組織・髄液採取及びマイクロセンサー(1mm径、fiber micro tube応用)及びフレキシブルsemi-rigid endoscopeの導入の可能なマイクロカテーテルを検討中である。神経内視鏡付帯機器及びマイクロカテーテルの動物実験モデルを用いた基礎実験は、来年度に予定している。 臨床研究としては、対象例の臨床病態解析と長期予後分析による本術式の適応の検討を進めている。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Oi S, Kim DS, Hidaka M: ""Hydrocephalus-Parkinsonism Complex":Progressive hydrocephalus as a factor affecting extrapyramidal trac disorder -An experimental study-"Childs Nerv Syst.. (in contributing). (2003)
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[Publications] Oi S: "Diagnosis, outcome, and management of fetal abnormalities : fetal hydrocephalus"Child's Nerv System. 192. 508-516 (2003)
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[Publications] Oi S: "Current status of prenatal management of fetal spina bifida in the world : worldwide cooperative survey on the medico-ethical issue"child's Nerv Syst. 19. 596-599 (2003)
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[Publications] Oi S, Ami Samii, Madjid Samii: "Variety of Tumor Extension and Selection of Surgical Approach in Craniopharyngioma"Nervous System in Children. 18. 77-81 (2003)
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[Publications] Babapour B, Oi S, Nonaka Y, Samii A, Samii M: "Intrauterne Spontaneous Arrest of Fetal Hydrocephaous"Nervous System in Children. 29. 33-36 (2004)
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[Publications] Oi S, Samii A, Samii M: "Operative Techiniues for Tumors in the Third Ventricle"Operative Techniques in Neurosurgery. 6・4. 205-214 (2003)
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[Publications] 大井 静雄: "神経管閉鎖不全症術後例の長期経過と対応"発達障害医学の進歩. 15. 57-67 (2003)
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[Publications] 大井 静雄: "脳腫瘍・脊髄腫瘍 小児疾患診療のための病態整理2"小児内科. 35. 663-673 (2003)
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[Publications] 大井 静雄: "小児脳腫瘍の外科治療 固形腫瘍の新しい治療"小児科診療. 67・4. 558-564 (2004)
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[Publications] 大井 静雄(共著), 阿部弘(編集): "脳神経外科疾患の手術と適応"朝倉書店. 474-481,521-542 (2003)