2003 Fiscal Year Annual Research Report
運動器疾患におけるユビキチンシステムの関与とその制御に関する研究
Project/Area Number |
15659351
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50282661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織田 弘美 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60101698)
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Keywords | 破骨細胞 / Bim / ユビキチン化 |
Research Abstract |
破骨細胞は正常な骨リモデリングのみならず関節リウマチや骨粗鬆症などの運動器疾患における骨破壊・骨吸収においても中心的な役割を果たす細胞である。破骨細胞の特徴はきわめて生存期間が短いことであり、生体内では約2週間、in vitroでは1,2日でアポトーシスによって死滅する。このような急速はアポトーシスがどのようなメカニズムで誘導されるかは明らかではない。本年の研究によってわれわれは、Bcl-2ファミリーのBH3-onlyメンバーに属するアポトーシス誘導分子Bimが破骨細胞のアポトーシスに重要な役割を果たしていること、その発現がユビキチン化によって調節されていることを明らかにした。マクロファージコロニー刺激因子(macrophage colony-stimulating factor,M-CSF)は破骨細胞の強力に生存期間の延長を誘導するサイトカインであるが、破骨細胞におけるBimの発現はM-CSFによって強力に抑制される。このときBimのユビキチン化が生じており、このユビキチン化はM-CSFによるERKの活性化を介していることが明らかになった。今後破骨細胞におけるBimユビキチン化の分子メカニズムを明らかにすることにより、効果的な骨代謝疾患治療薬の開発が可能であると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Akiyama T, Bouillet P, Miyazaki T, Kadono Y, Chikuda H, Chung U, Fukuda A, Hikita A, Seto H, Okada T, Inaba T, Sanjay A, Baron R, Kawaguchi H, Oda H, Nakamura K, Strasser A, Tanaka S.: "Regulation of Osteoclast Apoptosis by Ubiquitination of Proapoptotic BH3-only Bcl-2 Family Member Bim"Embo J.. 22. 6653-6664 (2003)
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[Publications] 秋山 達, 田中 栄: "破骨細胞アポトーシスと骨吸収能の制御"Medical Science Digest. 30. 42-43 (2004)