2003 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン依存性蛋白分解からみた前立腺癌発症における増殖制御機構の解析とその応用
Project/Area Number |
15659378
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浦野 友彦 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20334386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 眞二郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10334385)
井上 聡 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40251251)
高橋 悟 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (50197141)
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Keywords | 前立腺癌 / エストロゲン / エストロゲン受容体 / EBAG9 / ホルモン依存性腫瘍 / アンドロゲン / CDK阻害因子 / タンパク分解 |
Research Abstract |
前立腺癌細胞はアンドロゲン応答性を有したホルモン応答性腫瘍である。ラットを用いた前立腺癌発癌モデル実験においてアンドロゲン単独投与だけでは発症に不十分であり、エストロゲンの併用によりこれらの発症が誘導されることが複数のグループから報告されている。近年、我々を含む複数のグループがヒト前立腺標本においてエストロゲン受容体が発現していることを示している。前立湶細胞におけるこれらホルモンによるシグナル伝達機構を解明することは、前立腺癌発症の分子機構の解明に重要な意義を有していると考える。 前立腺細胞が癌細胞へと悪性転換する機序において重要な役割をはたす候補遺伝子として我々はEBAG9を同定した。本研究でEBAG9は前立腺肥大においては低発現であるが、癌化した前立腺上皮細胞において劇的に発現が亢進し、悪性度に伴いその発現が増加することを見出した(Int.J.Cancer 106;310-315,2003)。EBAG9はその転写調節領域においてエストロゲン応答部位を有しておりエストロゲンにより発現増加するホルモン応答性を有していることが示されていることからホルモン依存性に前立腺細胞が癌化する際にその細胞増殖を制御している可能性がある。 ホルモン応答による細胞増殖制御のメカニズムを解明するには細胞周期制御機構を理解する必要がある。細胞周期の負の制御因子であるCDK阻害因子は癌細胞のような、増殖が過剰亢進している部位において発現低下が認められており、その発現制御機構の解析は、前立腺癌発症の機序を解明するために重要であると考えられる。現在EBAG9を中心として、前立腺上皮細胞がホルモン依存性に癌化する際のCDK阻害因子の変化ならびにそのタンパク分解につながる制御因子の検索を進めており、それら因子のタンパクレベルでの制御を確認している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takahashi S, Urano T, Inoue S, et al.: "EBAG9/RCAS1 expression and its prognostic significance in prostatic cancer"Int.J.Cancer. 106. 310-315 (2003)
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[Publications] Horie K, Urano T, Inoue S: "Efp as a new molecular target for breast cancer therapy"Anticancer Drugs. 14. 1-2 (2003)
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[Publications] Aoki T, Inoue S, Makuuchi M, et al.: "EBAG9/RCAS1 expression in hepatocellular carcinoma : Correlation with tumour dedifferentiation and proliferation"Eur.J.Cancer. 39. 1552-1561 (2003)
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[Publications] Horie K, Urano T, Inoue S, et al.: "Estrogen-responsive RING finger protein controls breast cancer growth"J.Steroid Biochem.Mol.Biol.. 85. 101-104 (2003)
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[Publications] Urano T, Ouchi Y, Inoue S, et al.: "Association of a single nucleotide polymorphism in low-density lipoprotein receptor-related protein 5 gene with bone mineral density"J.Bone Miner.Metab.. (in press). (2004)