2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659380
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 新吾 京都大学, 医学研究科, 講師 (80322741)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
筏 義人 鈴鹿医療技術大学, 教授 (00025909)
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Keywords | 尿道再生 / 尿道下裂 / PLA / PLA-CL / コラーゲンコート |
Research Abstract |
80322741 材料と実験系 モデルA:前部尿道完全置換群:実際の尿道下裂の手術に近い方法で、ウサギの前部尿道3cmを尿道グラフトにて置換し、近位側は固有尿道と端々吻合し、遠位側グラフト先端を外尿道口として形成した。ウサギの陰茎の解剖学的特徴として非薄な皮下組織が離開しやすいため、このモデルは中断した。 モデルB:会陰部尿道のinterposition群:会陰部尿道1.5-2cmを切除しチューブを間置して近遠位を各々6-0吸収糸にて結節縫合で端々吻合を行った。 結果 1)モデルA:PLA mesh+PLA-CL sponge(n=10)周囲組織と癒合せず脱出 2)モデルA:PLA mesh+collagen sponge(内側コート)(n=5)芯剤の内腔脱出と結石形成 3)モデルB:PLA-CL mesh+collagen sponge(外側コート)(n=5)粘膜再生乏しく、全例狭窄 4)モデルB:PLA-CL mesh+collagen sponge(内側コート)(n=5)一例を除き開存(最長6ヶ月) 1)と3)は全例で高度の狭窄があり、尿道の閉塞により突然死する動物もあった。 4)は、一ヶ月以上安定して開存した。現在4)のモデルを追加作製して、短期および長期成績を評価中である。今後このグループは術後9ヶ月目まで追跡し、9ヶ月目に造影と膀胱尿道内圧測定を行った後に動物を犠牲死させて組織を採取し、一般染色および上皮と平滑筋マーカーについて免疫染色を行い、再建していない自己尿道と比較検討する予定である。 PLAやPLA-CLなどの吸収性合成高分子材料の生体適合性は必ずしも良好ではない。血管のように、血流を介して細胞が供給される臓器とは異なり、尿道のように内腔を尿が通過し、外面に皮下組織と接する管腔臓器では、合成高分子材料と生体との界面をコラーゲンコートによって極力減らすことで開存率の向上が認められた。
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