2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659391
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八重樫 伸生 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00241597)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 勇二 福島医科大学, 生体物質研究所, 講師 (70321982)
伊藤 潔 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70241594)
|
Keywords | ミトコンドリア / 電子伝達系 / 婦人科癌 / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
平成15年度は、24種類の癌細胞株を用いて、それらのDNAを抽出精製し、既知のヒトミトコンドリアDNAの配列よりプライマーを17対設計し、PCR法にてミトコンドリアDNAを増幅した。次にそのPCR産物を精製し、作成したプライマーの全てにおいてシークエンスを行い、遺伝子変異を同定している。 現在までのところ、24種類の癌細胞株のDNAにおいてシークエンスは80%終了した。解析の結果、遺伝子変異は報告されたもの、及び今回新たに発見したものは合計で111に及んでいる。変異はミトコンドリアDNAの広範囲に認められるが、特に電子伝達系サブユニットを構成する部位、及びDループと呼ばれる部位に多く認められている。 またこれと平行して、抗癌剤感受性の検討として上記の研究と同じ24種類の細胞株を用いてMTT法を施行している。検討した薬剤は、婦人科癌において臨床的に使用される頻度が多いプラチナ系、パクリタキセルなど、標的分子が既知なものを中心に14種類を使用した。その結果、平成16年1月現在、癌細胞株の遺伝子変異と抗癌剤感受性との間には未だ関連が確認されてはいない。 今後の研究方針であるが、シークエンスにおいては、まず残りのシークエンスを終了させる。しかる後には遺伝子変異が高頻度に認められている電子伝達系サブユニット部位、及びDループ部位を中心に、卵巣癌、子宮体癌をメインとした100例の婦人科癌手術摘出検体の凍結標本よりDNAを抽出し、同様の方法にてシークエンス反応を行い遺伝子変異の解析を行う予定である。また抗癌剤感受性の研究では、今後はサンプル数及び抗癌剤の種類を増加し、改めてその関連について再検討する予定である。
|