2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659391
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八重樫 伸生 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00241597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 潔 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70241594)
竹林 勇二 福島県立医科大学, 生体物質研究所, 講師 (70321982)
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Keywords | ミトコンドリア / 卵巣癌 / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
大腸癌細胞株SW480とそのシスプラチン耐性株SW480-CDDP、卵巣癌細胞株KF28、KFr13とそのタキソール耐性株KF28Tx、KFr13Txおよび膀胱癌細胞株BBOYとそのアドリアマイシン耐性株BOY-ADM1000、BOY-ADM3000、VP-16耐性株BOY-VP5000のミトコンドリアDNAのシークエンスを終了した。その配列の中で耐性株にのみ存在する変異をCYTB、ND2、ATP8/6、D-loop部位に発見し、確認のため再度細胞株よりゲノムを抽出し、確認実験を行った。SW480には認められなかったが、SW480-CDDPにはND2部位にC4346Gの点変異、ATP8/6部位にA8441Gの点変異を発見した。KFr13ではタキソール耐性株において、ATP8/6部位にC8540Gの点変異を認めた。BOYではND2部位でBOY-ADM1000にのみG4564Aの点変異を認めた。またCYTB部位でVP-16耐性株において15271insG、アドリアマイシン耐性株BOY-ADM3000において15552insTを発見した。以上のND2、ATP8/6、CYTBはいずれもミトコンドリアにおける電子伝達系を構成するタンパクであり、DNAの変異がその活性に影響する可能性が示唆された。アポトーシスの経路にCytochromBの関与が知られているが、CYTBの変異によりCYTBタンパクの活性が低下しているとすればアポトーシスに向かうシグナル伝達が抑制され、細胞が生き延びやすいという仮説が成り立つ。 (本文中の塩基番号はNCBIのデータベースにあるhuman complete genomeを参照した。)
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Research Products
(9 results)