2004 Fiscal Year Annual Research Report
難治性婦人科悪性腫瘍に対する新しい免疫療法の開発を目指して
Project/Area Number |
15659394
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
刈谷 方俊 京都大学, 医学研究科, 講師 (90243013)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 賢二 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10221350)
樋口 壽宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (00283614)
|
Keywords | CD25^+CD4^+制御性T細胞 / 免疫療法 / 婦人科癌 / GITR / 免疫抑制 / 腫瘍免疫 / モノクローナル抗体 / エフェクターT細胞 |
Research Abstract |
【背景】進行婦人科癌は未だ難治であり,新たな治療戦略として免疫療法が期待される.その一つとして,CD25^+CD4^+制御性T(regulatory T, T_R)細胞により維持されている免疫抑制の解除による抗腫瘍免疫反応の誘導が近年注目されている.このT_R細胞の免疫抑制能に関与する分子として,マウスにおいてglucocorticoid-induced tumor necrosis factor receptor family (GITR)が知られている.マウスGITRはリンパ球系細胞,特にT_R細胞に強発現しており,抗マウスGITRモノクローナル抗体はin vitroでT_R細胞の増殖抑制能を解除する。また実際に担癌マウスに抗GITR抗体を投与すると腫瘍拒絶免疫応答が誘導される. 【目的】ヒトにおいてもGITRが同様の機能を有する可能性を考え、ヒトGITR分子に対するモノクローナル抗体を樹立する.この抗体の臨床応用を見据えた基礎的検討として,T_R細胞はじめ免疫担当細胞におけるGITRの機能につき,in vitroにて解析する. 【方法・成績】まず抗ヒトGITRモノクローナル抗体を樹立した.この抗体を用い,GITR発現を解析すると,GITRはT_R,細胞、活性化ヘルパーT細胞・細胞傷害性T細胞、NK細胞にGITR発現がみられた.さらに,in vitroにおいて,T_R細胞がヘルパーT細胞,・細胞傷害性T細胞の増殖活性を抑制する現象は抗GITR抗体の用量依存的に解除され,ヘルパーT細胞,細胞傷害性T細胞自身の増殖活性も抗GITR抗体の用量依存的に亢進した. 【結論】ヒトにおいてもGITRがT_R細胞の免疫抑制能やエフェクターT細胞の活性化に重要な役割を担っており,抗GITR抗体によってT_R細胞の免疫抑制能を解除し婦人科癌に対する免疫反応を惹起するという新たな免疫療法の可能性が示唆された.
|
Research Products
(4 results)