2003 Fiscal Year Annual Research Report
ラット胎仔器官形成期および胎盤由来細胞の形成初期における低周波交流磁場の感受性の研究
Project/Area Number |
15659397
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小笠原 智香 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70336577)
|
Keywords | 器官形成初期胚 / 全胚培養法 / 低周波交流磁場 |
Research Abstract |
研究成果 ・培養系の確立:Sprague-Dawly Ratを用いて胎齢9.0日からの全胎仔培養施行.回転式全胎仔培養装置(池本理化工業:モデル0-0310)を用いて,至適培養時間を決定する目的で48・60・72時間(胎齢11.0,11.5,12.0日相当)の培養を行った.これまでの予備実験と違い,胎嚢を有する条件に加えて,胎盤由来細胞、初期の造血能を有する卵黄嚢膜を観察すべく、Hutchingせずに観察できる時間の適正を確立すべく、上記の時間に設定をおき、それぞれの胎仔について、胎嚢直径(GS)、頭臀長(CRL),体節数を測定し比較した。in vivo群と48・60・72時間培養各群それぞれで培養条件を満たす同等の評価が得られたのは60時間培養群であった。この間に低周波交流磁場の曝露による変化を観察することとした。 ・磁場発生装置は、E字型コイルの鉄芯を用い、100V、50Hz、20mTの低周波交流磁場を一様に曝露。曝露時間設定:短時間かつ、加熱変化のおきない条件であることを考慮し、20分、60分の曝露時間を設定し(以下E20群,E60群)、それぞれsham群(以下S20群,S60群)を設定して対照群(以下C群)と比較検討した。さらに加熱群(Th20群)も含め、形態学評価を行った。 ・結果:C,E20,E60,S20,S60群における、胎仔の発育遅延や特異的な奇形の発生は認めなかった。胎仔発育遅延や神経堤の形成不全は、各群間で有意差は検出されなかったが、卵黄嚢膜表面における変化を観察したところ、E20、Th20群に関してのみ、走査電子顕微鏡所見で細胞膜表面の細胞変化が見られた。この細胞の変化は細胞発育であるか否かは生化学的研究途上であり、この現象における再現性の評価を行いつつ、研究推進中である。 ・本研究成果は、Bioelectromagnetics societyに公表予定。
|