2003 Fiscal Year Annual Research Report
チャネル病としての緑内障への分子生物学的アプローチ
Project/Area Number |
15659407
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高井 章 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50126869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 恵治 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40252233)
三宅 養三 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30166136)
吉田 晃敏 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70125417)
内海 計 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90271759)
大日向 浩 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20233257)
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Keywords | 毛様体筋 / イオンチャネル / チャネル病 / 緑内障 / 非選択性陽イオンチャネル / ムスカリン受容体 / trp / 眼圧調節 |
Research Abstract |
本研究は、従来型薬物で眼圧下降が誘導しにくい難治性緑内障とtransient receptor potenrial (trp)遺伝子群の異常との関連について検討することを直接的な目的とするものである。本群の遺伝子は、いずれも特徴ある非選択性陽イオンチャネル(NSCC)をコードしているが、そのいくつかは、代表者(高井)と共同研究者(三宅と成瀬)の最近の研究によって毛様体筋に多く発現して筋張力調節に直接的に関与していることが明らかになり、視覚遠近調節ならびに房水流出率の調節因子として重要な役割を演ずる可能性が注目されている。 初年度はとりあえず、動物材料で実験を進めてきた。以前にウシおよびブタ毛様体筋でRT-PCR法により発現を確かめていたtrp1,trp3,trp4,trp6およびtrp7とにつき、すべての全cDNA配列を確定した。 現在、確定したcDNA配列をもとにsiRNAを設計・合成し、ウシ、ブタの毛様体筋培養細胞に導入して、各trp遺伝子の特異的ノックダウンを行い、ムスカリン受容体刺激時の電気生理学的応答の変化を調べている。すでにtrp1,trp3の関与についてはすでに否定的なデータが得られているので、今後は、trp4,trp6,trp7およびいくつかのバリアントについて同様の検討を進める予定である。 これと並行して、いろいろな病型、特に従来型薬剤で眼圧下降が誘導しにくい難治性緑内障患者から採取した血液サンプルについて各種trp遺伝子の配列の異常の有無を検討を進めつつある(富田)。すでに7つの塩基配列レベルの変異と2つのアミノ酸配列レベルでの変異を見いだした。これらが、緑内障の病因と関連しているかどうかについては、今後、培養細胞での発現系における電気生理学的実験により検討してゆく予定である。次年度にかけては、新たな血液サンプルの収集にも努める。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Takai, A., Takai, Y.: "Current-noise analysis of a non-selective cation channel activated by carbachol in freshly isolated smooth muscle cells of the bovine ciliary body"Journal of Physiology. (印刷中).