2003 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光色素を用いたCandida血症の迅速診断法の開発
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15659429
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
高江洲 秀樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60347581)
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Keywords | 深在性真菌症 / フローサイトメトリー / 蛍光色素 / FUN-1 / 迅速診断 |
Research Abstract |
本研究のFCM法では生物学的活性のある菌を迅速に検出することを目的とし、蛍光色素を用い生物学的活性をもつ真菌にたいして深在性真菌症の迅速診断法を確立し、PCRを用いた検出法と比較検討を行うことにある。研究に際する基礎実験として、CandidaのFUN-1蛍光色素に対する最適染色時間を決定すべくCandida臨床分離株を用いて10^6個に調整したCandida浮遊液にFUN-1蛍光色素を加え0分、30分、60分、90分、120分の時間間隔でFCMにて測定した。これにより反応開始より60分までは蛍光強度は増加し90分より減少傾向を示したため、FCMによる最適測定時間は60分と判断した。次にCandida、ヒト全血をそれぞれ蛍光色素で染色しFCMにおけるgating範囲を検討したところ、Candidaのgating範囲はヒト血球においては単核球におけるgating範囲に一致するエリアであることがわかった。常人全血にCandida液を加えたものをFCMにて測定を行った(I群)。FCMでは、その蛍光高度に幅が形成され、中には2峰性の蛍光強度を示すものも認められた。蛍光顕微鏡で観察したところ、Candidaはもとより、有核細胞に置いて蛍光強度に差は認めるもののFUN-1での蛍光が確認された。放射線照射により白血球機能を死活化させた血液にCandida液を加えたものをFCMにて測定を行った(II群)。FCMでは蛍光高度幅は狭く2峰性になることはなかった。FCLZ添加を行った検体(III群)ではI群と同様に蛍光高度幅に広がりは認められたが強度はI群よりも弱くなっていることがわかった。以上よりFUN-1を用いて染色した場合、Candida細胞と大きさが近似する単核細胞も染色されており、FCMでの計測では両者を測定している可能性が示唆される。今後、さらに研究を進めるために、他の色素を用いて2重染色を行い、また、単核細胞との分離法を模索し研究に役立てる予定である。
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