2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659438
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
小林 繁 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10118078)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 哲哉 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (70253458)
|
Keywords | Substance P / BDNF / Trk B / Neurokinin-1 receptor / 抜歯 / 三叉神経節 / 痛み / 骨代謝 |
Research Abstract |
神経ペプチドがどのように骨変形と関わるかについて、本研究では三叉神経節で産生される神経ペプチドについて調べた。神経ペプチド、Substance P(SP)は骨代謝に影響を及ぼすことが明らかになっているが、この研究では抜歯後の治癒過程におけるSPの役割を調べるために、SP, brain-derived nerve growth factor(BDNF),とそれぞれ受容体であるneurokinin-1 recepto (NK_1-R)とTrkBの経時的な発現について調べた。また、抜歯後の下顎臼歯の挺出にどのように神経ペプチドが関与しているかについて調べた。オス5適齢ラットを麻酔後、上顎右側の第一臼歯を抜歯した。動物は抜歯後3時間、1,3,7,14そして21日後に屠殺し三叉神経節と上顎骨を取り出した。凍結切片を作成し、抗SP,BDNF,NK_1-R,TrkB抗体を用いて免疫染色を行った。コントロールでは上顎臼歯に対応する付近の三叉神経節神経には弱いSR,BDNF,NK_1-R,Trk Bの免疫反応が認められた。抜歯後3時間では、SP,BDNF,NK_1-R,Trk Bの免疫陽性神経の数は減少した。BDNFとTrk B陽性神経は抜歯後1日で急速に増加した。SPおよびNK_1-Rの強い免疫陽性反応は抜歯後3から7日後に認められた。興味深いことに、同じようなSP,BDNF,NK_1-R,Trk B陽性反応の変化が三叉神経節の下顎臼歯に対応する部分に認められた。また、抜歯後下顎の臼歯には挺出を示す歯槽骨骨形成の促進が認められたが、この骨形成は下歯槽神経切断によって減少した。これらの結果により、三叉神経節におけるSP陽性神経の発現と抜歯後の治癒過程におけるSP陽性神経の再分布には密な相関があることが分かった。抜歯はまた、対合歯周囲のSPによる骨リモデリングにも影響を与えることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)