2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜再生・人工歯根膜開発を目的とした歯根膜幹細胞の分化における遺伝子発現の解明
Project/Area Number |
15659456
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横山 敦郎 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20210627)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (90239765)
|
Keywords | 歯根膜再生 / 幹細胞 / デキサメサゾン / アルカリフォスファターゼ / オステオポンチン / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
本年度は,歯根膜幹細胞の分化を誘導する成長因子を同定することを目的に以下の研究を行った. 生後6週齢の雄性Fisher344ラットをジエチルエーテルにて安楽死させ,歯科用スプーンエキスカベーターを用いて,上・下顎臼歯を可及的丁寧に抜歯した.抜去した歯牙を生食にて洗浄し血液成分を除去した後,メスを用いて歯根から歯根膜を機械的に剥離,細片化し,5%PSN,1%fungizoneおよび15%FBSを含むα-MEMにて培養した.48時間ごとに培地を交換し,初代培養を行った.10日後,幾つかの線維芽細胞様の形態を示す細胞のコロニーの形成を確認したところで,細胞を回収し,デキサメサゾン(Dex),β-GPおよびアスコルビン酸を添加した培地で誘導した.培養7日後より結節の形成が観察された.Dexを含まない培地での培養に比較し,細胞数,アルカリフォスファターゼの活性およびELISAによるオステオポンチンの産生は,Dexを含む培地のほうが高い値を示した.形成された結節は,Von Kossa染色により濃染され,石灰化していることが示された.SEMにて形態観察を行ったところ,Dex(-)においては,紡錘型の細胞がみられたが,Dex(+)においては,多角形の厚みを持った細胞が観察された.以上の結果から,Dexにより,ラット歯根膜細胞は,骨芽細胞に分化誘導されることが示唆された.現在rhBMPによる誘導を行っている.来年度は,b-FGFやTGF-βによる歯根膜幹細胞の分化・誘導を行うとともに,DNAマイクロチップを用いた成長因子の差異による遺伝子の発現の差違および発現順序を分析する予定である.
|