2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659468
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
寺野 元博 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90264259)
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Keywords | 金属アレルギー / 発汗 / 掌蹠膿疱症 / 手掌表面電位差 / コンダクタンス / 舌電気刺激 |
Research Abstract |
1.実験系の確立:刺激閾値の検索 舌の電気刺激にて形態認知を試みたK.A.Kaczmarek (1998)らの実験によると、5V以上15V以下、0.4mA以上2mA以下の電気刺激で舌を刺激しており、平均は1.612mAであった。この値を参考に設備費で購入した電気刺激装置(バイオリサーチ社製刺激アイソレータML180一式)を用い、テフロンコート・プラチナ(99.9%)線にて特注した2点式刺激電極で舌を刺激し、手掌の表面電位差と発汗によるコンダクタンスを測定した。 実験方法 発汗によるコンダクタンスの電極は左手指に、EMG電極を左手掌に装着した。EMG電極は双局電極を用い、正極は手掌に、負極は手首に、アースは額とした。刺激電極は、Frequency:10Hz、Pulse duration:100ms、Amplitude:1.6mAで、舌先を電気刺激した。測定は座位にて安静にしてもらい、左手は肘から先を机の上に置き、測定中は腕や手を動かさないように指導した。 実験結果 安静時、左手指のコンダクタンスは平均5μmho、左手掌の表面電位差は平均5μV、Frequency:4Hz、最大-最小振幅67μVであった。また、左手母指屈曲の筋電図は、平均3μV、Frequency:5.4Hz、最大-最小振幅90μVであった。舌刺激時のコンダクタンスはわずかに上昇が認められたが、左手掌の表面電位差は、平均6.5μV、Frequency:20Hz、最大-最小振幅は18μVであり、筋電図やノイズとは異なる波形が記録できた。 このことより、舌の電気刺激により、手掌表面電位差に変化が現れることが確認できた。今後は、測定の精度を上げるとともに、金属アレルギー患者と健常者の反応の違いを検討していきたいと考えている。
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