2004 Fiscal Year Annual Research Report
頭部X線規格写真を用いた口腔外科手術ナビゲーションシステムの開発
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15659483
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
後藤 昌昭 佐賀大学, 医学部, 教授 (10145211)
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Keywords | ナビゲーション / インプラント / 外科的矯正手術 / セファロ |
Research Abstract |
<ハードウエアの改良>位置発信器として、頭部の動きを追跡するために前額部にLED装置、開閉口運動の動きを追跡するためオトカイ部にLED装置を装着した。LED装置の固定のためにそれぞれ、ヘッドギアとマウスピースを固定源とした固定装置を開発した。LED装置は、外部に電池ボックスを用いる方式を採っていたが、手術の支障になるため、装置内に電池を入れる一体型に変更した。また、LEDは直径を2mmから3mmに変更し、CCDカメラで認識する際の誤差を軽減した。ハンドピース用LED装置は手術部位、角度によって、CCDカメラで追跡しにくい場合があるため、関節を付けることで、CCDカメラに対するLED装置の角度を最適な状態に維持できるようにした。 ハンドピースは、ストレート、コントラアングルを使用するため、使用するハンドピースや、ドリル、バーの長さが変わるたびに先端位置を校正する必要がある。そこで、ハンドピースの形態や、さまざまな径のドリル、バーに対応できるように先端位置校正装置を改良し、この装置に使用するLEDの配置を大きな3角形に変更し、CCDカメラで認識する際の誤差を軽減した。 CCDカメラについては、レンズ型を使用しているが、実験段階で考えていた、患者との距離60cmから、手術時の敷布、術者の配置、器具の位置を考慮し、100cm程度まで離す必要があると考えた。このため、精度を低下させないよう、CCDカメラに使用するレンズを変更した。 <ソフトウエアの開発>CCDカメラからの情報を処理し、コンピュータディスプレイ上てドリル先端の情報をスムーズに表示できた。また、頭位の変化、開閉口運動に対しても、コンピュータ上で、座標位置の変換を行い、リアルタイムのナビゲーションが行えた。セファログラムの正貌、側貌が同時に表示できるように、新しい画面を作成し、画面を見ながらの手術がスムーズに行えるようにした。 <今後の課題>上顎のみのナビゲーションを行った場合と比較し、上下顎のナビゲーションを行った場合は、CCDカメラで追跡するLEDの数が多くなる上、空間座標が広がるため精度が低下してしまう。これを改善するために、最適なLEDの大きさや、レンズを模索していく必要がある。LEDの大きさには限界があるため、赤外線を反射する球を用いたシステムも検討しているが、この場合、外乱光の影響を受けやすくなる。今後、さらに実験を行い、精度を向上させるためCCDカメラ、LEDについて検討を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)