2004 Fiscal Year Annual Research Report
「細胞シート工学」に基づいた新規歯周治療法の開発に関する研究
Project/Area Number |
15659496
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石川 烈 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10014151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 茂 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70160869)
野口 和行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90218298)
木下 淳博 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10242207)
長澤 敏行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90262203)
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Keywords | 細胞シート / 細胞移植 / 歯根膜由来細胞 / 歯根膜 / セメント質 / 歯周組織再生 / 再生医工学 / 温度応答性培養皿 |
Research Abstract |
ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)が固定化された温度応答性培養皿を用いてヒト歯根膜細胞の培養条件を検討し、アスコルビン酸塩を添加した条件下で培養期間を長期化することによって、培養皿上の歯根膜細胞を一枚の細胞シートとして回収することが可能となった。 免疫生化学的解析により、この温度応答性培養皿から得られた歯根膜由来細胞シートは、インテグリンなどの細胞膜表面タンパク活性を高く維持しており、またフィブロネクチンをはじめとする細胞外マトリックスを豊富に保持することが明らかとなった。このことは、培養歯根膜細胞シートが従来の酵素処理で回収された培養歯根膜細胞と比較すると、高い細胞活性を維持したまま非侵襲的に回収できることを示唆するものであった。 このヒト歯根膜由来細胞シートを、胸腺欠損ラットに実験的に作製した歯周組織欠損部に移植して歯周組織再生に与える影響を検討した結果、細胞シートが移植された実験群において歯根膜様組織の再生が確認された。アザン染色による詳細な検討の結果、この線維走行は歯根象牙質表面に新たに沈着したセメント質様組織にアンカーして斜方へ走行し、形態学的にラット本来の歯根膜線維に非常に近いものであることが確認された。さらに、ビーグル犬の自家細胞移植モデルを構築して歯根膜細胞シート移植を試みた結果、実験側の細胞シートが移植された歯根象牙質表面にセメント質が新たに形成され、これに結合して歯根表面に対して垂直方向へ走行する歯根膜線維の再生が確認された。歯槽骨の再生も同時に観察され、新生歯根膜線維の他端がこれに埋入していた。 以上の研究結果は、歯根膜由来細胞シートの移植によって極めて良好に歯周組織再生が起こることを示している。我々は、歯周治療における細胞シート移植の可能性を具体化することに成功したが、更なる詳細な検討が必要であり臨床応用に向けて現在実験を遂行中である。
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Research Products
(4 results)