2003 Fiscal Year Annual Research Report
ラフトモデルに基づく歯周組織でのアデノシンレセプター活性化制御
Project/Area Number |
15659498
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐保 輝之 大阪大学, 歯学部附属病院, 助手 (10263295)
池澤 一彦 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (80294114)
島袋 善夫 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (50231361)
橋川 智子 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00362682)
山田 聡 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40359849)
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Keywords | アデノシン / アデノシンデアミナーゼ / CD73 / アデノシンレセプター / ラフト / CD26 / 歯肉線維芽細胞 |
Research Abstract |
細胞外アデノシンデアミナーゼ(ecto-ADA)によるアデノシンレセプター(AdoR)活性化の制御機構を解明するために、ecto-ADA結合蛋白であるCD26の遺伝子をMolt4に導入し、CD26 transfected Molt4を樹立した。フローサイトメトリー及びコンフォーカル顕微鏡での解析からCD26とecto-ADA分子が同細胞上にてco-localizeすることが確認された。さらに、同細胞上のecto-ADA量は、細胞質内にADAを豊富に含有するJurkat lysateを外因性ADAとして用いて細胞を前処理することにより増加を認めた。次にecto-ADAによるAdoR活性化制御機構を解析するために、ADA特異的阻害剤2'-deoxicoformycin(dCF)の存在、非存在下においてAdo刺数による細胞内cAMP産生量を検討した結果、Ado添加による細胞内cAMP産生量の増加は、Jurkat lysateにて細胞を前処理し細胞上のecto-ADA量を増加させることにより抑制され、その抑制効果はdCFを添加することにより阻害されることが明らかとなった。このことより、ecto-ADAによるAdoR活性化制御機構を検討するための実験モデルを構築することに成功した。 さらに、歯肉線維芽細胞(HGF)上のCD73分子によるAdoRの活性化制御を検討した。HGF上には、CD73分子の発現を認め、またAMP添加により培養上清中のAdo濃度が上昇し、その濃度上昇はCD73特異的阻害剤であるAOPCP添加により濃度依存的に抑制を認めることも明らかとなった。さらに、HGF内cAMP産生は、AdoだけでなくAMP添力によっても亢進が認められ、その亢進はAOPCPによって濃度依存的に抑制された。このことより、HGF上のCD73がHGF上のAdoR活性化の制御に関与している可能性が強く示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tomoko Hashikawa: "Regulation of adenosine receptor engagement by ecto-adenosine deaminase"The FASEB Journal. 18. 131-133 (2004)
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[Publications] Tomoko Hashikawa: "Involvement of CD73 (ecto-5'-nucleotidase) in adenosine generation by human gingival fibroblasts"J Dent Res. 82(11). 888-892 (2003)