2003 Fiscal Year Annual Research Report
ドライマウス評価に関するクライテリアの確立に向けた調査研究
Project/Area Number |
15659502
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
竹原 直道 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00038879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 和宏 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (40188793)
粟野 秀慈 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (20301442)
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (80244789)
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
高橋 哲 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60226850)
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Keywords | ドライマウス / 口腔乾燥 / 唾液分泌 / 臨床疫学 / 唾液曳糸性 |
Research Abstract |
本研究の研究目的は口腔乾燥を主訴として来院された患者に行うドライマウス検査のプロトコールを確定することにある。そこで本年度行った検査方法の妥当性を検討するためにドライマウス検査結果と病態との関連を統計学的に解析した。対象は、30歳〜82歳の男女118名とした。検査方法は、安静時唾液流出量、刺激時唾液流出量、口腔水分計による舌粘膜上皮内および頬粘膜上皮内の水分量の計測、エルサリボによる粘膜湿潤度の計測および新開発のNeva Meterによる唾液曳糸性の測定を行った。問診として、現在の健康状態、現病歴、既往歴、薬剤服用の有無、種類、頻度、服用期間、喫煙歴、食生活、16項目からなる口腔乾燥およびそれに類する自覚症状の有無について行った。臨床所見については、舌粘膜上に唾液の有無を基準として判定した。その結果、エルサリボによる粘膜湿潤度検査値と舌面乾燥の有無との間に有意な関連性が認められた。この結果は、10秒法、30秒法および舌下部10秒法のいずれめ場合も同様であった。また、5分間あたりの安静時唾液師出量と舌面乾燥の有無との間にも有意な関連件が認められた。一方、唾液曳糸性値、水分計による計測値と舌面乾燥の有無との間には有意な関連性が認められなかった。次にドライマウス検査の結果と自覚症状のうち、"カラカラする"との関連について解析を行った。その結果、安静時唾液流出量と自覚症状の有無との間に有意な関連性が認められた。しかし、粘膜湿潤度検査、唾液曳糸性値、および水分計による計測値との間にこれらの結果から、口腔乾燥症の評価方法としては、粘膜湿潤度検査と安静時唾液流出量検査が有用であることが示唆された。しかし、今回解析を行った検査値は、患者のベースライン値であり、ドライマウス病態の変化との関連はみていない。今後同一患者の検査結果を追跡することによって得られるΔ値と病態との関連を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Koshimune, S.et al.: "Low salivary flow and volatile sulfur compounds in mouth air."Oral surgery Oral medicine Oral radiology and Endodontics. 96. 38-41 (2003)
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[Publications] Gohara, K., Ansai, T.et al.: "A new automatic device for measuring the spinnbarkeit of saliva : The Neva Meter."J.Dent.. (印刷中).
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[Publications] 安細 敏弘(分担執筆): "デンタルハイジーン別冊 唾液と口腔乾燥症"医歯薬出版. 142 (2003)