2004 Fiscal Year Annual Research Report
シトクロームP450によるビタミンE代謝の解明とゴマ摂取によるその調節
Project/Area Number |
15680018
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
池田 彩子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 講師 (80308808)
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Keywords | ビタミンE / α-トコフェロール / ペルオキシソーム増殖活性化受容体 / ペルオキシソーム増殖剤 / シトクロームP450 |
Research Abstract |
平成16年度は、ペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPARα)によるシトクロームP450(CYP)遺伝子発現の調節によってビタミンE代謝が変動する可能性について検討するとともに、酸化ストレス亢進によってビタミンEが消費された可能性についても検討した。 1.ビタミンE摂取時のCYP遺伝子発現の変動 雄性Wistarラットに、α-トコフェロールまたはトコトリエノール添加飼料を3日間摂取させた。肝臓のCYP4A2/3 mRNAレベルがトコトリエノール摂取により上昇する傾向が見られ、CYP3Aおよび4F mRNAレベルには明らかな変化が見られなかった。 2.PPARαリガンド摂取時のビタミンE代謝の変動 ラットに、ClofibrateまたはWY14,643添加飼料を3日間摂取させた。ClofibrateとWY14,643の摂取によって、血清および肝臓のα-トコフェロール濃度が75%以下に低下し、肝臓のCYP4F5 mRNAレベルが上昇した。この時、肝臓のTBARS濃度に変化は見られず、アスコルビン酸濃度も低下しなかった。 3.フィブレート系薬剤摂取時のビタミンE代謝の変動 ラットに、種々のフィブレート系薬剤(Clofibrate, Bezafibrate, Fenofibrate, Gemfibrozil)添加飼料を3日間摂取させた。血清と肝臓のα-トコフェロール濃度は、すべての薬剤摂取によって55%以下に低下し、肝臓のCYP4F5 mRNAレベルが上昇した。この時、肝臓のTBARS濃度に変化は見られず、アスコルビン酸濃度も低下しなかった。 以上の結果から、PPARαの活性化によるビタミンE濃度の低下にCYP4F5が関与することが示唆され、また、酸化ストレス亢進によるビタミンE消費の可能性は低いと考えられた。
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Research Products
(3 results)