2003 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔共同学習における画質,及び時間遅れとコミュニケーションの質との相関関係の解明
Project/Area Number |
15680019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 淳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (80345157)
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Keywords | 遠隔共同学習 / テレビ会議システム / コミュニケーションの質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、実画像通信での画質、及び時間遅れとコミュニケーションの質との相関関係を、主観的、あるいは客観的な解析手法を用いて解明することで、実画像通信を用いた遠隔共同学習支援アプリケーションの設計指針を確立することである。 この目的を達成するため、1)通信の時間遅れとコミュニケーションの質との相関関係、2)画質、あるいは音質とコミュニケーションの質との相関関係、3)以上の研究から得られた結果を、より実戦的な遠隔共同作業に適用した場合の作業効率の変化の3項目について研究を行うが、本年度は1)についての研究を行った。 通信の時間遅れとコミュニケーションの質との相関関係を調べるために、任意の時間遅れを作り出すことができるテレビ会議システムの構築を行った。任意の時間遅れを生成する装置として、タイムラグアジャスターと呼ばれる装置を利用することで、ミリ秒単位での時間遅れを生成することが可能となった。その他の条件、たとえば表示する人物サイズや視線一致に関しては、先行研究が多数あるため、それらを参考にした。 実験データが膨大なため、現状では主観的な評価のみであるが、時間遅れとコミュニケーションの質との関係について、おおむね以下の傾向が見られた。 ●0.3秒程度の時間遅れであればコミュニケーションには大きな影響は見られない。 ●ただし、0.2秒の遅延で発生する音声のフィードバックが原因で、話者が自分の話を進めにくい状態(人工的に作られた吃音状態)になる傾向がある。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 山下, 葛岡, 井上, 山崎: "コミュニケーションにおけるフィードバックを支援した実画像通信システムの開発"情報処理学会論文誌. 45巻1号. 300-310 (2004)